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18、公爵の人知れない本音

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ーー少し遡ったお見合いがあったその日の夜の公爵邸の明かりの消えた寝室。
暗闇の中で風呂上がりに一人で部屋で酒を飲んでいたアレクシア・ヴァルリア公爵。
カランッとグラスに入った酒が揺れて氷が美しく響く音を出す。

「……ふうっ」
一息つくと、昼間ののことを思い出す。

「フィオナ・ローレル」
気が付くと、お見合いをした相手である彼女の名前を呟いていた自分に思わず笑ってしまう。
どこかいつもと違う自分のが心に浮かぶ。
それでも頭に……心に刻み付けられた彼女の顔が忘れないのか、今日見た彼女の顔が次々と思い浮かんでいく。

すると、東屋で引き寄せたことでついうっかり事故で触れてしまった……唇。
を思い出してしまい、何故だか思わず顔が赤くなってしまう。

だ。うん。
だけでなく、おそらくは初めてだったはず……。
そうだ。……とはいえ、たとえだったとはいえ、俺はを奪ってしまった。

どこぞのではあるまいし、まさかそんな風なである自分の身に起きるとはな……。
思わず「フッ」と笑ってしまう。

「ふうっ」
それでも、ほんの一瞬だったが、
ほんの一瞬だけ触れた唇。
それでもとわかった。

……《》。
いつの間にかそんなことを考えていた公爵。

「……も、だったな……」
思わずそう呟いてしまうと、自然とそのあとのが膨らんでいく。

ーーに横になった彼女を俺は見下ろす。
広がった髪、ほんのりと赤くなる彼女の表情。
その頬に触れると、彼女も俺の手に触れて、頬をすりすりとしてくる。

頬に触れたまま、親指で唇に触れて、少し突っ込んでみると唇が少し開く。
その中を味わいたくてキスをすると、すぐにほんのり開いていた隙間から口の中に舌を滑り込ませると、彼女の口の中を味わう。

とろけた表情になった彼女の首筋にキスをすると、そのまま滑らかで柔らかい肌に口と手で触れていく。

そして、今まで誰にも触れられていないであろう秘密の場所を口と指で味わっていく。

反応が大きくなっていく彼女に今度は己自身のもので満たすべく狭い道を奥まで進む。
痛がる彼女を気遣いながら、その中を攻めて味わっていったーー


そこで、ようやくハッとした公爵。
ーーそう、と言うことを思い出した。

「(……何てことだ……)」
ーー彼女との睦みあう時間をしてしまい、頭の中でその行為を想像して………してしまうなんて……。

熱くなったズボンの膨らみを見下ろして、そんな自分自身に呆れて溜め息が出てしまう。

結局、自分で自分を慰めて、手に残ったその痕跡を見つめて、落ち込み、再び溜め息をつきながら、もう一度、風呂に入るために公爵は一人浴室に向かった。


ーー2回目の風呂から上がると、ようやく落ち着く。
改めて、グラスに酒を注ぎながら、『』と素直に思ってしまっていた。
それに気付くと、さっきのことといい、彼女に傾倒している自分に気付いてしまう。

お酒をぐいっと飲むと、
「参ったな」
と呟いた。
もうここまできたら……と思い、公爵は、とりあえずことにした。

部屋でも簡単な書類仕事をするために置いてある少し小さめな執務机の椅子に座ると、引き出しから紙とインクを取り出して、手紙を書く準備をする。
ーー勿論、は決まっている。

少し考え込んで、……考えてみる。
ーー気が付くと、机の上や回りに丸まった紙が落ちていた。
その光景を見て、思わず小さく笑ってしまう。
「……ククッ。何をしているんだか……」
さらさらっと、今度はすぐに書くと、封筒にいれて、ロウで封蝋する。

ーーそう、宛先は、フィオナだ。
『一緒に食事に行かないか』と言ったを彼女に書いて、トーマスを呼び出して手紙を出すように指示した。

お見合い終えての《》だったから、が無難だと思い、そう誘ったのだった。
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