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マルカの物語
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ビクトリアはマルカの与太話をなるべく簡潔かつ丁寧に説明をした。
途中でヒースがやってきたが、彼にも分かるように話をした。
そしてバカみたいなマルカの話を終えると、一息ついて出されたお茶を口にした。
知らない間に喉がカラカラになっていたからだ。
ずっと黙ってビクトリアの話を聞いていた五人は、話が終わると何とも言えない表情を浮かべていた。
そして最初に口を開いたのはライモンドだった。
「…端的に言って、馬鹿か」
「正真正銘のアホだな、あの破天荒女は」
「前世の記憶があるのはロマンティックですが、お話の内容はちょっと現実的ではありませんね」
「非現実的だな。私とフロルの婚約を簡単に壊せると思っている事がそもそもおかしい」
「いや、それよりも高位貴族の男達を侍らすとか、頭の中イカれてるぜ」
それぞれ思った事を口にするが、個人的にはヒースの意見に賛成だ。
逆ハーレムと言うらしいが、そんな事が現実に成立すると思っているのが恐ろしい。
「このままだと確実に不敬罪に問われますよね…」
ビクトリアが呟くと、ライモンドが小さく頷く。
「間違いなくな。そしてホークス子爵にも責任を問うような事態になりかねない」
「ですよね…。はあああああ…!」
「何でトーリがそこまで落ち込むんだよ?あんな破天荒女ほっとけばいいだろ」
「そういう訳にはいかないわ!だって私、一応あの子の友達なのよ?確実にやらかす未来が見えているのに、ほっとくなんてできないし、ホークス子爵も気の毒だし…」
そこまで言いかけてハッと気付く。
「あ、し、失礼しました!わ、私ったらつい…」
「は?何が?」
慌てて謝るビクトリアにレオカディオがきょとんとする。
「何がって、私ったらついため口を…申し訳ありません」
「え、逆にうれしいけど。トーリが俺に気を許してくれてるって事だろ?ため口大歓迎だぜ」
「そっ…そういう訳にはいきません!レオ様はアクレス侯爵家のご子息なんですよ?」
「お前だってディアゴス辺境伯のお姫さんじゃねーか。そんな立場は変わらないだろ」
確かに辺境伯と言う身分は侯爵に近い。単なる伯爵とは違い立場は上位にあたる。
が、侯爵と同等かと言えばそうではないのだ。
「そんな事よりも、あの迷惑女をどうにかしないとダメだろ」
ヒースが二人の会話を遮るように口を挟む。
それにライモンドも同意するように頷いた。
「そうだな。どちらにしても私達は彼女に狙われているようだ。であれば、向こうからの接触をできるだけ避けたいのだが…」
「それができれば苦労しない。今日もどこから情報を得たのか、行く先々で先回りされ、その度に突進してくるんだからね」
「殿下だけじゃないですよ。フロレンツィア様にも随分迷惑かけてたぜ、あの迷惑女」
「わたくしは大丈夫ですわ。ですが…あの様子ではご学友達と仲良くなんてできないでしょうね」
「フロルは優しいね。あんな女の心配なんてする必要はないよ」
「ですがベルト様、独りぼっちは寂しいですわ」
フロレンツィアが悲しそうに視線を下げる。
これは本当に心配しているようだ。
こんないい人を陥れようだなんて、マルカの頭の中はどうなっているのだろう。
それに、どう見てもベルトランドとフロレンツィアは両想いだ。
そんな二人の間に入ろうだなんて、身の程知らずにも程があるだろう。
「…本当に、早々にあきらめてくれればいいのですが」
「常識があればあんな行動はしないだろう。だがビクトリア嬢が気にする事ではない」
「デアンジェリス公…」
「ライモンドだ」
「…ラ、ライモンド様…」
渋々名前で呼ぶと、ライモンドが満足そうに微笑む。
まさか笑いかけられると思わなかったビクトリアが目を瞠る。
だが驚いたのはビクトリアだけではないようだった。
「ライモンドが笑うだなんて、珍しい事もあるんだな」
「ベルト様ったら失礼ですよ。でも意外ですわね…」
「いや、ヒースもそう思うだろう?」
「そうですね。ライモンドが女に笑いかけるなんて、どういう心境の変化だよ?」
「私の記憶が正しければ、兄上にさえ笑いかけないライモンドが」
「三人とも失礼だな。私だって笑う事くらいある」
そう言ってゴホンと咳ばらいをするライモンドを、レオカディオも訝し気に眺めた。
「ライモンドさん、まさかビクトリアを気に入ったんスか?」
「は?」
「ちょっ、レオ様!何を言い出すんですか!ライモンド様もレオ様の言葉は気にしないでください!」
「…分かった」
全くいきなりなんて事を言い出すのか。
こういう勘違いをすると後で自分が猛烈に恥ずかしい目に合うのだ。
そう思ったビクトリアは即座に否定するが、ライモンドもレオカディオも少々納得いかない表情で黙り込む。
そんなやり取りを見ていたベルトランド達も何か言いた気だったが、今はそんな事はどうでもいい。
気を取り直してビクトリアはマルカの話を続ける事にした。
「それよりも!マルカの事を話しましょう!」
「あ、ええ、そうですわね」
フロレンツィアが頷き、そして全員が姿勢を正す。
そしてビクトリアが思いついた事を五人に伝える事にした。
「あの、マルカは失礼ながら殿下達に恋情を持っている訳ではありません」
「うん、ただ私達を落とす事を楽しんでるようだね」
「はい。ですので彼女の方から諦めるように仕向ければいいのではと思ったのですが…」
「具体的にはどうするんだ?俺達は実際毎回会う度にあの迷惑女にしっかりと断ってるんだぞ?それでも懲りずに突進してくるんだが」
ヒースが忌々しそうに表情を歪める。
後から聞いた話だと、ヒースの婚約者であるカサンドラ・モーリアック伯爵令嬢にも絡みに行ってるそうだ。
「カサンドラも迷惑女に嫌がらせされてるみたいだし、さっさと解決したいんだよな」
「モーリアック伯爵令嬢ですね。具体的にどんな嫌がらせをされてるんですか?」
「フロレンツィア様と大体同じだな。婚約者を解放してやれだとか、自分が婚約者に愛されていないからって、嫌がらせはやめてくださいだとか」
「嫌がらせって…」
「カサンドラが迷惑女に嫉妬していじめてるって言いまわってるんだよ。ったく、困るんだよな。お陰でカサンドラには俺が迷惑女に好意を持ってるって誤解されるし…」
「それは…大変ご迷惑を…」
恐るべしマルカ。
ここまで大胆な事をよくしでかせるなと、ビクトリアがある意味感心する。
話を聞いていると、フロレンツィアやカサンドラがマルカをいじめていると、自分が殿下やヒースに愛されていると周囲に言っているらしい。
勿論信じている人は少ないが、それでも悪い噂は回るものだ。
そう本人が言うくらいだから、あながち間違っていないのではないかと疑われているらしい。
「現状はともかく、破天荒女は高位貴族の仲間入りをしたいんだろ?」
レオカディオがビクトリアに尋ねる。
「仲間入りしたいと言うか、見目の良い高位貴族の令息達に囲まれて幸せになりたいとしか聞いていません」
「あ、敬語に戻ってるぞ」
「いいじゃないですか。それよりもマルカは誰か一人と結ばれるのではなく、何人もの男性に求められたいと考えているので、実際誰と結婚したいのかと聞けば…」
そこまで言いかけてベルトランドをチラリと見る。
ビクトリアの視線に気付いたベルトランドは、タラリと汗を流しながらも口元をヒクつかせ、無理やりな笑顔を浮かべた。
「まさかビクトリア嬢、その相手は私だと言わないよな…?」
「申し訳ございませんが、そのまさかです。高位貴族のご子息達を侍らしたまま結婚するのなら、もう王族に嫁ぐくらいしないと無理でしょう」
「い、いやいやいやいや!ムリムリムリムリ!!そういう野心のある女性なんて絶対お断りだ!」
「ですよねぇ…」
「そもそも私にはフロルがいる!他の女性なんて必要ない!!」
「ベ、ベルト様…」
ベルトランドのセリフにフロレンツィアがポッと頬を染める。
が、空気を読まないヒースがポロリと恐ろしい言葉を零す。
「あれ、じゃあ第一王子殿下も狙われるんじゃねーか?」
「!!」
とんでもない言葉をヒースが呟くと、ライモンドの目がギラリと鋭くなった。
それもそのはず、第一王子であるアルフォンス・ジョシュ・コスタンティーノは魔術アカデミーは卒業しているが、婚約者のアデライド・ラ・フォルジュ公爵令嬢に会う為に時々お忍びで姿を現すのだ。
お忍びだがそこはやはり第一王子だけあり、とにかく目立つ。
ベルトランドと同じくプラチナブロンドにエメラルドの瞳で、美青年のベルトランドとは違い精悍な王子だ。
「このままでは毒女がアルフォンス殿下にまで…!」
「毒女…」
ライモンドがマルカを毒女と呼んだのを聞いて、ビクトリアは苦笑する。
レオカディオは「破天荒女」で、ヒースは「迷惑女」。挙句の果てにはライモンドからは「毒女」とは、バラエティに富んだ呼び名だ。
苦笑せざるを得ないが、これでは話が進まない。
ビクトリアは自分が考えていた案を皆に話す事にした。
「あの、皆様には大変ご迷惑をお掛けするのですが、一つ案がございます」
「聞こう」
ベルトランドが興味深そうにビクトリアを見つめる。
ビクトリアは少し申し訳なさそうにしながらも、自身が思いついた「案」について話したのだった。
途中でヒースがやってきたが、彼にも分かるように話をした。
そしてバカみたいなマルカの話を終えると、一息ついて出されたお茶を口にした。
知らない間に喉がカラカラになっていたからだ。
ずっと黙ってビクトリアの話を聞いていた五人は、話が終わると何とも言えない表情を浮かべていた。
そして最初に口を開いたのはライモンドだった。
「…端的に言って、馬鹿か」
「正真正銘のアホだな、あの破天荒女は」
「前世の記憶があるのはロマンティックですが、お話の内容はちょっと現実的ではありませんね」
「非現実的だな。私とフロルの婚約を簡単に壊せると思っている事がそもそもおかしい」
「いや、それよりも高位貴族の男達を侍らすとか、頭の中イカれてるぜ」
それぞれ思った事を口にするが、個人的にはヒースの意見に賛成だ。
逆ハーレムと言うらしいが、そんな事が現実に成立すると思っているのが恐ろしい。
「このままだと確実に不敬罪に問われますよね…」
ビクトリアが呟くと、ライモンドが小さく頷く。
「間違いなくな。そしてホークス子爵にも責任を問うような事態になりかねない」
「ですよね…。はあああああ…!」
「何でトーリがそこまで落ち込むんだよ?あんな破天荒女ほっとけばいいだろ」
「そういう訳にはいかないわ!だって私、一応あの子の友達なのよ?確実にやらかす未来が見えているのに、ほっとくなんてできないし、ホークス子爵も気の毒だし…」
そこまで言いかけてハッと気付く。
「あ、し、失礼しました!わ、私ったらつい…」
「は?何が?」
慌てて謝るビクトリアにレオカディオがきょとんとする。
「何がって、私ったらついため口を…申し訳ありません」
「え、逆にうれしいけど。トーリが俺に気を許してくれてるって事だろ?ため口大歓迎だぜ」
「そっ…そういう訳にはいきません!レオ様はアクレス侯爵家のご子息なんですよ?」
「お前だってディアゴス辺境伯のお姫さんじゃねーか。そんな立場は変わらないだろ」
確かに辺境伯と言う身分は侯爵に近い。単なる伯爵とは違い立場は上位にあたる。
が、侯爵と同等かと言えばそうではないのだ。
「そんな事よりも、あの迷惑女をどうにかしないとダメだろ」
ヒースが二人の会話を遮るように口を挟む。
それにライモンドも同意するように頷いた。
「そうだな。どちらにしても私達は彼女に狙われているようだ。であれば、向こうからの接触をできるだけ避けたいのだが…」
「それができれば苦労しない。今日もどこから情報を得たのか、行く先々で先回りされ、その度に突進してくるんだからね」
「殿下だけじゃないですよ。フロレンツィア様にも随分迷惑かけてたぜ、あの迷惑女」
「わたくしは大丈夫ですわ。ですが…あの様子ではご学友達と仲良くなんてできないでしょうね」
「フロルは優しいね。あんな女の心配なんてする必要はないよ」
「ですがベルト様、独りぼっちは寂しいですわ」
フロレンツィアが悲しそうに視線を下げる。
これは本当に心配しているようだ。
こんないい人を陥れようだなんて、マルカの頭の中はどうなっているのだろう。
それに、どう見てもベルトランドとフロレンツィアは両想いだ。
そんな二人の間に入ろうだなんて、身の程知らずにも程があるだろう。
「…本当に、早々にあきらめてくれればいいのですが」
「常識があればあんな行動はしないだろう。だがビクトリア嬢が気にする事ではない」
「デアンジェリス公…」
「ライモンドだ」
「…ラ、ライモンド様…」
渋々名前で呼ぶと、ライモンドが満足そうに微笑む。
まさか笑いかけられると思わなかったビクトリアが目を瞠る。
だが驚いたのはビクトリアだけではないようだった。
「ライモンドが笑うだなんて、珍しい事もあるんだな」
「ベルト様ったら失礼ですよ。でも意外ですわね…」
「いや、ヒースもそう思うだろう?」
「そうですね。ライモンドが女に笑いかけるなんて、どういう心境の変化だよ?」
「私の記憶が正しければ、兄上にさえ笑いかけないライモンドが」
「三人とも失礼だな。私だって笑う事くらいある」
そう言ってゴホンと咳ばらいをするライモンドを、レオカディオも訝し気に眺めた。
「ライモンドさん、まさかビクトリアを気に入ったんスか?」
「は?」
「ちょっ、レオ様!何を言い出すんですか!ライモンド様もレオ様の言葉は気にしないでください!」
「…分かった」
全くいきなりなんて事を言い出すのか。
こういう勘違いをすると後で自分が猛烈に恥ずかしい目に合うのだ。
そう思ったビクトリアは即座に否定するが、ライモンドもレオカディオも少々納得いかない表情で黙り込む。
そんなやり取りを見ていたベルトランド達も何か言いた気だったが、今はそんな事はどうでもいい。
気を取り直してビクトリアはマルカの話を続ける事にした。
「それよりも!マルカの事を話しましょう!」
「あ、ええ、そうですわね」
フロレンツィアが頷き、そして全員が姿勢を正す。
そしてビクトリアが思いついた事を五人に伝える事にした。
「あの、マルカは失礼ながら殿下達に恋情を持っている訳ではありません」
「うん、ただ私達を落とす事を楽しんでるようだね」
「はい。ですので彼女の方から諦めるように仕向ければいいのではと思ったのですが…」
「具体的にはどうするんだ?俺達は実際毎回会う度にあの迷惑女にしっかりと断ってるんだぞ?それでも懲りずに突進してくるんだが」
ヒースが忌々しそうに表情を歪める。
後から聞いた話だと、ヒースの婚約者であるカサンドラ・モーリアック伯爵令嬢にも絡みに行ってるそうだ。
「カサンドラも迷惑女に嫌がらせされてるみたいだし、さっさと解決したいんだよな」
「モーリアック伯爵令嬢ですね。具体的にどんな嫌がらせをされてるんですか?」
「フロレンツィア様と大体同じだな。婚約者を解放してやれだとか、自分が婚約者に愛されていないからって、嫌がらせはやめてくださいだとか」
「嫌がらせって…」
「カサンドラが迷惑女に嫉妬していじめてるって言いまわってるんだよ。ったく、困るんだよな。お陰でカサンドラには俺が迷惑女に好意を持ってるって誤解されるし…」
「それは…大変ご迷惑を…」
恐るべしマルカ。
ここまで大胆な事をよくしでかせるなと、ビクトリアがある意味感心する。
話を聞いていると、フロレンツィアやカサンドラがマルカをいじめていると、自分が殿下やヒースに愛されていると周囲に言っているらしい。
勿論信じている人は少ないが、それでも悪い噂は回るものだ。
そう本人が言うくらいだから、あながち間違っていないのではないかと疑われているらしい。
「現状はともかく、破天荒女は高位貴族の仲間入りをしたいんだろ?」
レオカディオがビクトリアに尋ねる。
「仲間入りしたいと言うか、見目の良い高位貴族の令息達に囲まれて幸せになりたいとしか聞いていません」
「あ、敬語に戻ってるぞ」
「いいじゃないですか。それよりもマルカは誰か一人と結ばれるのではなく、何人もの男性に求められたいと考えているので、実際誰と結婚したいのかと聞けば…」
そこまで言いかけてベルトランドをチラリと見る。
ビクトリアの視線に気付いたベルトランドは、タラリと汗を流しながらも口元をヒクつかせ、無理やりな笑顔を浮かべた。
「まさかビクトリア嬢、その相手は私だと言わないよな…?」
「申し訳ございませんが、そのまさかです。高位貴族のご子息達を侍らしたまま結婚するのなら、もう王族に嫁ぐくらいしないと無理でしょう」
「い、いやいやいやいや!ムリムリムリムリ!!そういう野心のある女性なんて絶対お断りだ!」
「ですよねぇ…」
「そもそも私にはフロルがいる!他の女性なんて必要ない!!」
「ベ、ベルト様…」
ベルトランドのセリフにフロレンツィアがポッと頬を染める。
が、空気を読まないヒースがポロリと恐ろしい言葉を零す。
「あれ、じゃあ第一王子殿下も狙われるんじゃねーか?」
「!!」
とんでもない言葉をヒースが呟くと、ライモンドの目がギラリと鋭くなった。
それもそのはず、第一王子であるアルフォンス・ジョシュ・コスタンティーノは魔術アカデミーは卒業しているが、婚約者のアデライド・ラ・フォルジュ公爵令嬢に会う為に時々お忍びで姿を現すのだ。
お忍びだがそこはやはり第一王子だけあり、とにかく目立つ。
ベルトランドと同じくプラチナブロンドにエメラルドの瞳で、美青年のベルトランドとは違い精悍な王子だ。
「このままでは毒女がアルフォンス殿下にまで…!」
「毒女…」
ライモンドがマルカを毒女と呼んだのを聞いて、ビクトリアは苦笑する。
レオカディオは「破天荒女」で、ヒースは「迷惑女」。挙句の果てにはライモンドからは「毒女」とは、バラエティに富んだ呼び名だ。
苦笑せざるを得ないが、これでは話が進まない。
ビクトリアは自分が考えていた案を皆に話す事にした。
「あの、皆様には大変ご迷惑をお掛けするのですが、一つ案がございます」
「聞こう」
ベルトランドが興味深そうにビクトリアを見つめる。
ビクトリアは少し申し訳なさそうにしながらも、自身が思いついた「案」について話したのだった。
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