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第5章
ルーsideーー悪役
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ルーsideーとある空き教室ーー
窓の外で
エルの楽しげな笑い声が聞こえる。
エルの大きな手が、赤い髪のあの子に伸びて‥。
どうして‥
そこは僕の場所だったのに。
「ルー?」
「っ、ファイ様」
「寝不足か‥?顔色が悪い‥」
「少し‥眠いだけです。」
「‥ヤリすぎか‥?」
「へ?」
「いや、‥ルー。愛してる。」
「ふふ、僕もです‥ファイ様」
「‥可愛い‥‥抱きたい。」
「へ?今ですかってっ!?ふ、ファイ様ッま、待って‥じゅ、授業がっ!」
「サボればいいだろ。ほら、こっち向け。」
「ッ、んん、」
ファイ様の事は好きだ。
僕の初恋。やっと叶った幸せ。
でも、時々闇の底のような恐怖を感じる。
1人‥、
ファイ様も、また
『最近、第1王子と親しい関係だとか』
『よくやったーー未来の王の〝愛人になれるよう、王子に媚を売っておけーーわかったな?』
〝愛人
そうだ。僕はいつまでもファイ様の隣にいられない。
いつかファイ様は王になって、
世継を残すため王妃を‥
ああ、そしたら僕はどうなる。
愛人?もし、王妃にファイ様が心を奪われたら?また、
また裏切られるかもしれない。
離れていくかもしれない
信じたいのに
信じられない。
みんな僕を蔑んだ。
僕はなにも悪くない
悪くない
妾の子ーー
汚いーー
生まれなければーー
いやだ、1人にしないで
『ルーは綺麗だよーー』
ッ、エルーー
会いたい‥話したい。
なのにどうして‥
‥、
闇の底で、
一粒の雫が落ちる。
ああ、そうだ
簡単な事じゃないか。
欲しいなら、奪えばいい。
〝取り戻せばいいんだよ。
「どうした?」
「‥いえ、何でもありません。ただ‥
ふふ、とても良いことを思いついてしまってーーー」
「‥ルー‥?」
「ほら、ファイ様‥早く‥きて‥」
「ッ、は、今日は積極的だな」
「ん、あーーー」
待っててエル
必ず君を取り戻すから。
僕のたった1人のお友達ーーー
ーールーside end
窓の外で
エルの楽しげな笑い声が聞こえる。
エルの大きな手が、赤い髪のあの子に伸びて‥。
どうして‥
そこは僕の場所だったのに。
「ルー?」
「っ、ファイ様」
「寝不足か‥?顔色が悪い‥」
「少し‥眠いだけです。」
「‥ヤリすぎか‥?」
「へ?」
「いや、‥ルー。愛してる。」
「ふふ、僕もです‥ファイ様」
「‥可愛い‥‥抱きたい。」
「へ?今ですかってっ!?ふ、ファイ様ッま、待って‥じゅ、授業がっ!」
「サボればいいだろ。ほら、こっち向け。」
「ッ、んん、」
ファイ様の事は好きだ。
僕の初恋。やっと叶った幸せ。
でも、時々闇の底のような恐怖を感じる。
1人‥、
ファイ様も、また
『最近、第1王子と親しい関係だとか』
『よくやったーー未来の王の〝愛人になれるよう、王子に媚を売っておけーーわかったな?』
〝愛人
そうだ。僕はいつまでもファイ様の隣にいられない。
いつかファイ様は王になって、
世継を残すため王妃を‥
ああ、そしたら僕はどうなる。
愛人?もし、王妃にファイ様が心を奪われたら?また、
また裏切られるかもしれない。
離れていくかもしれない
信じたいのに
信じられない。
みんな僕を蔑んだ。
僕はなにも悪くない
悪くない
妾の子ーー
汚いーー
生まれなければーー
いやだ、1人にしないで
『ルーは綺麗だよーー』
ッ、エルーー
会いたい‥話したい。
なのにどうして‥
‥、
闇の底で、
一粒の雫が落ちる。
ああ、そうだ
簡単な事じゃないか。
欲しいなら、奪えばいい。
〝取り戻せばいいんだよ。
「どうした?」
「‥いえ、何でもありません。ただ‥
ふふ、とても良いことを思いついてしまってーーー」
「‥ルー‥?」
「ほら、ファイ様‥早く‥きて‥」
「ッ、は、今日は積極的だな」
「ん、あーーー」
待っててエル
必ず君を取り戻すから。
僕のたった1人のお友達ーーー
ーールーside end
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