悪役令息の取り巻きに転生した俺乙

第3章

告げられた幸せ

‥‥

バンっーー

「え、ええええるうううう！？」


「ッうわっ！？何？！ルー！？ビックリした～！！」


急に開く寮のドア。
仮病でおふとんに引きこもっていた俺は、
飛び起きる。



「あの、あのね！ぼ、僕、僕？！」

ルー？どうしてここに？
まだ授業中だよね？俺が言える立場じゃないけど
とりあえず慌てすぎだよ。


「う、うん。落ち着いて？どうしたの？」



「スーハー‥ふぅ‥僕ね‥ファイ様に‥



口説かれちゃった‥」


「‥え」


それって


「その、き、キスまでされて‥それで、僕の事を幸せにするって‥こ、これって、も、もしかしてプロポーズッ？！うわああど、どうしよ！心の準備が出来てないよ！！」

幸せそうなルーの顔。
これを望んでいた。はずなのにっ
心臓が悲鳴をあげる
嫌だやめてよ。聞きたくない。


「そ、そっか～！よ、よかったじゃん！おめでとう！！」


なんだこれなんだこれ。

いつもみたいに
できない。

「ありがとう！エルが僕の背中を押してくれたおかげだよ！！本当にありがとう！エル大好き！」

ギュッと抱きつかれる。
俺は思わず、その肩を掴んで、
そのまま押し倒したくなる衝動を押さえつけた。

グッとルーの細い肩を押す。



「ッ、だめ、だよ、ルー。」

「っ、エル？」

「ファイ様が、嫉妬、しちゃうでしょ‥」

「ッ、そ、そうだね！ごめん！気をつけるよ！」


顔が上げられない。
今の俺はきっと酷い顔だ

相棒、つけときゃよかった。