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ペア戦開幕
傷つく
しおりを挟むーー決勝出場者は、グランドに集合するようにーー
沈黙の中、アナウンスが流れる。
ルド「‥ラピス、」
ラピス「‥リカルド様、そろそろ行きましょうか。」
ルド「‥あぁ‥。そうだな‥」
どこか気まずそうな表情をするリカルド様。
なにかを言いたそうにしていましたが、
その先の言葉が恐ろしく、
わたくしは、失礼ながら言葉をかぶせました。
ソファーから立ち上がり、
ふと胸の痛みに首をかしげる。
あら、嫌ですわ。
これはなんですの?
傷ついた心など、
クローリー家には要りません。
光の灯った瞳を閉じ、
そしてまた開く
そこは闇。いつもの闇。
これでいつも通りですわ。
ちらりとリカルド様を見る。
グランドに向かう途中、
何かを考え込むリカルド様に、言葉をかけた。
ラピス「ふふ、絶対に勝ちますわよ。」
何も思い込まないでいい、何も言わなくていいのです。
貴方は貴方の道を行ってください。
その道の先を、
闇の底で生きるわたくしは
この曇った瞳で見てみたいのですわ。
ルド「当たり前だ。必ず‥俺たちが勝利するーー」
ラピス「っ、ふふ‥」
その青い瞳に、またわたくしの瞳は
光を灯してしまうのです
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