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信心する神に選ばれ弄ばれています
6 処刑台の従者
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ザキムは部下達に目撃されてしまった手前、仕方無く城の中庭にある処刑場へ向かう。
アルスが首をはねろと言うのは、別段珍しいことではなかった。
部下もすっかり慣れてしまい、昨日まで仲が良かった使用人でも命じられれば首をはねる。
ザキムのように対象者を逃すことが正しいのではなく、そもそも簡単に人の命を奪う王子に問題がある。
王や王妃が息子は生き神だと大騒ぎするので、城内にはアルスを咎める人間は居なかった。
このままでは、ルクアはヤバイ。
ザキムは中庭に到着しても、このままで良いのかと逡巡して動きが鈍っていた。
「そんな、暗い顔するなよ。
ツィード様とあんたが居ればなんとかなるさ」
両膝をついたレオンは、笑って首を固定する処刑台に身体を預ける
血生臭いこの場所に来ても、まだ笑って受け入れるのか。
早朝のこの時間、処刑台の前は無人で閑散としている。
ザキムはせめて一太刀で落としてやろうと柄を握った。
そのとき
「その処刑は中止だ」
中庭を見下ろすバルコニーから、半裸のアルスが姿を表しあっさりと告げた。
身体を固定されていたレオンは、咄嗟に顔をあげようとして「ぐえっ」とおかしな声をあげる。
「中止、ですか?」
アルスの意思で、処刑をが中止になることなど一度もなかった。
ザキムが柄を握ったまま聞き返すと、アルスは不本意であることは隠さずジロリと赤い目で睨んでくる。
「ソレを俺の寝室に連れてこい」
フンッと鼻を鳴らし、背を向け離れていった。
アルスが首をはねろと言うのは、別段珍しいことではなかった。
部下もすっかり慣れてしまい、昨日まで仲が良かった使用人でも命じられれば首をはねる。
ザキムのように対象者を逃すことが正しいのではなく、そもそも簡単に人の命を奪う王子に問題がある。
王や王妃が息子は生き神だと大騒ぎするので、城内にはアルスを咎める人間は居なかった。
このままでは、ルクアはヤバイ。
ザキムは中庭に到着しても、このままで良いのかと逡巡して動きが鈍っていた。
「そんな、暗い顔するなよ。
ツィード様とあんたが居ればなんとかなるさ」
両膝をついたレオンは、笑って首を固定する処刑台に身体を預ける
血生臭いこの場所に来ても、まだ笑って受け入れるのか。
早朝のこの時間、処刑台の前は無人で閑散としている。
ザキムはせめて一太刀で落としてやろうと柄を握った。
そのとき
「その処刑は中止だ」
中庭を見下ろすバルコニーから、半裸のアルスが姿を表しあっさりと告げた。
身体を固定されていたレオンは、咄嗟に顔をあげようとして「ぐえっ」とおかしな声をあげる。
「中止、ですか?」
アルスの意思で、処刑をが中止になることなど一度もなかった。
ザキムが柄を握ったまま聞き返すと、アルスは不本意であることは隠さずジロリと赤い目で睨んでくる。
「ソレを俺の寝室に連れてこい」
フンッと鼻を鳴らし、背を向け離れていった。
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