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31 学園祭 side 渡
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グラウンドについたら、15分前。
もう、終了宣言の用意はほとんど済んでるみたいやった。
生徒会が上がるステージは、蛇腹式の足場にいろんな形の滑り止め加工が施されとる天板を乗っけて設営する簡易式やねん。
体育祭やと、学園長とか先生が一人だけ立って話すだけやしな。
階段と1m✕2mの長方形一枚で済んでてん。
去年の学園祭は、それを縦に三枚、横に四枚繋げて合計六枚の並べて3m✕8mやったたんやけど。
今年は、もっと広いわ。
何枚あるんやろ。
体育館のステージより広いんちゃう?
しかも、なんやろ。
機材がステージの側に並んでて、でっかいスピーカーも並んどる。
そこで竹居君が生徒会やない人らと作業してるんやけど、その背に比べてステージはだいぶ高い。
2mくらいあるんちゃうかな。
去年、そんなに高無かったのになぁ。
これって、菊川君が言ってたことと関係すんの?
笹部君が迷いなくグラウンドの奥のステージに向かって歩くしな。
俺もそれに合わせて歩いてたんやけど。
「なぁ、これってなんなん?」
「んー、まぁ、楽しみにしとけって。
三枝には、格好悪いとこばっか見せてたからな」
何言うてんの、笹部君?!
俺、さっきからドキドキしっぱなしやで??
もっと詳しく聞きたかったのに、機材のとこで他の人と話してた竹居君が俺らに気付いてな。
「おい、こらっ、おっせーよっ
笹部、さっさとこっちに来いっ
三枝は、来んなっ」
え、竹居君、酷ない?
俺の足はステージまであと20mくらいのとこで止まったのに、笹部君は繫いでた手をほどいてステージに走っていってしまう。
えー、俺はどうしたらえぇん??
キョロキョロ見回しても、なんやろ。
海ちゃんも空ちゃんも、校舎とグラウンドの間を忙しそうに走ってるし。
松野君は、麻野君を背負ったまんまステージの上で菊川君と話してる。
ホマレンとかなちゃんは・・・見当たらへんわ。
「えー、なんなんーっ」
疑問をそのまんま大きな声に出したらな。
背後から頭を小突かれた。
誰?
振り向いたら、冬馬達四組のクラスメートが勢揃い。
そっか。
片付けもはよからしてたし、一番乗りしてくれたんや。
「お前、一人で何ぼへーとしてんの?」
「好きでしてるんちゃうわっ」
「「ワタルン、お疲れー」」
「梛木さんらもお疲れ様」
「教室からは全然見え無かったけど、今年はなんかすげーな。
渡、何すんの?」
「知らんねん・・・」
冬馬に「勿体ぶんなよ?」って言われてもな。
知らんもんは、知らんねんてば。
そこからワイワイ囲まれていっぱい質問された。
でも、俺が答えへんからめっちゃいじられてしもた。
まぁ、ひとりぼっちでグラウンドに居るよりかはええかな?!
売上のこととか、評判のこととか話しとったらな。
『あーあー』
マイクを通して、笹部君の声が届いてん。
ステージを見上げたらな。
中央で、マスク姿の笹部君が頭にワイヤレスのヘッドセットマイクを着けて足元の竹居君を見下ろしてた。
もう、終了宣言の用意はほとんど済んでるみたいやった。
生徒会が上がるステージは、蛇腹式の足場にいろんな形の滑り止め加工が施されとる天板を乗っけて設営する簡易式やねん。
体育祭やと、学園長とか先生が一人だけ立って話すだけやしな。
階段と1m✕2mの長方形一枚で済んでてん。
去年の学園祭は、それを縦に三枚、横に四枚繋げて合計六枚の並べて3m✕8mやったたんやけど。
今年は、もっと広いわ。
何枚あるんやろ。
体育館のステージより広いんちゃう?
しかも、なんやろ。
機材がステージの側に並んでて、でっかいスピーカーも並んどる。
そこで竹居君が生徒会やない人らと作業してるんやけど、その背に比べてステージはだいぶ高い。
2mくらいあるんちゃうかな。
去年、そんなに高無かったのになぁ。
これって、菊川君が言ってたことと関係すんの?
笹部君が迷いなくグラウンドの奥のステージに向かって歩くしな。
俺もそれに合わせて歩いてたんやけど。
「なぁ、これってなんなん?」
「んー、まぁ、楽しみにしとけって。
三枝には、格好悪いとこばっか見せてたからな」
何言うてんの、笹部君?!
俺、さっきからドキドキしっぱなしやで??
もっと詳しく聞きたかったのに、機材のとこで他の人と話してた竹居君が俺らに気付いてな。
「おい、こらっ、おっせーよっ
笹部、さっさとこっちに来いっ
三枝は、来んなっ」
え、竹居君、酷ない?
俺の足はステージまであと20mくらいのとこで止まったのに、笹部君は繫いでた手をほどいてステージに走っていってしまう。
えー、俺はどうしたらえぇん??
キョロキョロ見回しても、なんやろ。
海ちゃんも空ちゃんも、校舎とグラウンドの間を忙しそうに走ってるし。
松野君は、麻野君を背負ったまんまステージの上で菊川君と話してる。
ホマレンとかなちゃんは・・・見当たらへんわ。
「えー、なんなんーっ」
疑問をそのまんま大きな声に出したらな。
背後から頭を小突かれた。
誰?
振り向いたら、冬馬達四組のクラスメートが勢揃い。
そっか。
片付けもはよからしてたし、一番乗りしてくれたんや。
「お前、一人で何ぼへーとしてんの?」
「好きでしてるんちゃうわっ」
「「ワタルン、お疲れー」」
「梛木さんらもお疲れ様」
「教室からは全然見え無かったけど、今年はなんかすげーな。
渡、何すんの?」
「知らんねん・・・」
冬馬に「勿体ぶんなよ?」って言われてもな。
知らんもんは、知らんねんてば。
そこからワイワイ囲まれていっぱい質問された。
でも、俺が答えへんからめっちゃいじられてしもた。
まぁ、ひとりぼっちでグラウンドに居るよりかはええかな?!
売上のこととか、評判のこととか話しとったらな。
『あーあー』
マイクを通して、笹部君の声が届いてん。
ステージを見上げたらな。
中央で、マスク姿の笹部君が頭にワイヤレスのヘッドセットマイクを着けて足元の竹居君を見下ろしてた。
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