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31 学園祭 side 渡
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みこちゃんと手ぇ繋ぐとき、俺、どうしてたやろ。
んー、隣で歩いてて、目があったらお互いに手を出して自然に繋げてたような気がする。
そっか、笹部君の顔を見てみたらえぇんちゃうかなっ
そしたら、何も言わんでも伝わるかもしれへんし、なんか言われたら「手ぇ、繋ぎたい」って答えたらええんやもんなっ
このじれったい状況の打開策がわかったしな。
ヒョイッて気軽に視線を上げたら。
なんと。
なーんーとーっ
笹部君、こっち見ててな。
マスクの隙間から出てる目がわろてるし、今まで手元に気を取られて気ぃついてへんかってんけど。
けぇどぉっ
なぁ、なんか肩もこまかーく震えてへん?!
「さ、笹部君、ずっと見てたん?!」
ひぇえーーっ
めっちゃ、恥ずかしいっ
どこから見られてたん?
もしかして、生徒会室出てから??
思わず大っきい声が出たしな。
廊下をゴミ箱持って歩いてた人から振り返られた。
は、恥ずかしさ、倍増やん!!
動揺して歩くのが遅れてしもたからな。
なんでもないよって、心配というよりちょっと引いた顔してた人に首振って。
俺のこと待たんと、スタスタ先を歩いてた笹部君を追いかけて真横に移動してん。
笹部君の顔を覗いたら、ククッて楽しそうに笑ってな。
「百面相」
俺のむくれた頬を、フニッて指で柔らかく摘んでくる。
それ、ずっと見とったってことやんかぁっ
意地悪い笹部君の指を突き放すために、ぷうってわざと頬を膨らませる。
ツルンと外れた指も可笑しかったらしくて、今度こそ笹部君は肩を震わせて笑いだした。
もぉ、なんなん、なんなん、笹部君っ
わかってたんやったら、手ぇ繋いでくれたらえぇやんかっ
強引に笹部君の左腕に自分の右腕を絡めて、そのまんま手も繋ごうとしてん。
でも、繋ぐだけやったら、バレバレやん?
少しは、笹部君も動揺したらえぇねんっ
俺ばっかりドキドキしてるやんっ。
力が入ってへんかった笹部の掌に滑り込ませるように重ねてな。
指を伸ばしたまんま、笹部君の指も伸ばしてもらえるようにその上を滑らせて。
それで、広げられたとこでちょっとずらして指と指の間に自分の指を入れてん。
ふふん、憧れの恋人繋ぎやでっ
チラッてもう一回笹部君見上げたらな、ビックリして目を見開いてた。
ふふふ、一矢報いた?
俺、やっと笹部君のこと、ドキドキさせれとる?
嬉しくなって笑いかけたらな。
笹部君、目を細めて笑顔を返してくれてん。
しかも、嬉しそうやねん。
もー、全然敵う気がせぇへんわ。
んー、隣で歩いてて、目があったらお互いに手を出して自然に繋げてたような気がする。
そっか、笹部君の顔を見てみたらえぇんちゃうかなっ
そしたら、何も言わんでも伝わるかもしれへんし、なんか言われたら「手ぇ、繋ぎたい」って答えたらええんやもんなっ
このじれったい状況の打開策がわかったしな。
ヒョイッて気軽に視線を上げたら。
なんと。
なーんーとーっ
笹部君、こっち見ててな。
マスクの隙間から出てる目がわろてるし、今まで手元に気を取られて気ぃついてへんかってんけど。
けぇどぉっ
なぁ、なんか肩もこまかーく震えてへん?!
「さ、笹部君、ずっと見てたん?!」
ひぇえーーっ
めっちゃ、恥ずかしいっ
どこから見られてたん?
もしかして、生徒会室出てから??
思わず大っきい声が出たしな。
廊下をゴミ箱持って歩いてた人から振り返られた。
は、恥ずかしさ、倍増やん!!
動揺して歩くのが遅れてしもたからな。
なんでもないよって、心配というよりちょっと引いた顔してた人に首振って。
俺のこと待たんと、スタスタ先を歩いてた笹部君を追いかけて真横に移動してん。
笹部君の顔を覗いたら、ククッて楽しそうに笑ってな。
「百面相」
俺のむくれた頬を、フニッて指で柔らかく摘んでくる。
それ、ずっと見とったってことやんかぁっ
意地悪い笹部君の指を突き放すために、ぷうってわざと頬を膨らませる。
ツルンと外れた指も可笑しかったらしくて、今度こそ笹部君は肩を震わせて笑いだした。
もぉ、なんなん、なんなん、笹部君っ
わかってたんやったら、手ぇ繋いでくれたらえぇやんかっ
強引に笹部君の左腕に自分の右腕を絡めて、そのまんま手も繋ごうとしてん。
でも、繋ぐだけやったら、バレバレやん?
少しは、笹部君も動揺したらえぇねんっ
俺ばっかりドキドキしてるやんっ。
力が入ってへんかった笹部の掌に滑り込ませるように重ねてな。
指を伸ばしたまんま、笹部君の指も伸ばしてもらえるようにその上を滑らせて。
それで、広げられたとこでちょっとずらして指と指の間に自分の指を入れてん。
ふふん、憧れの恋人繋ぎやでっ
チラッてもう一回笹部君見上げたらな、ビックリして目を見開いてた。
ふふふ、一矢報いた?
俺、やっと笹部君のこと、ドキドキさせれとる?
嬉しくなって笑いかけたらな。
笹部君、目を細めて笑顔を返してくれてん。
しかも、嬉しそうやねん。
もー、全然敵う気がせぇへんわ。
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