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31 学園祭 side 渡

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女装とか、恥ずかしいし嫌やけどな。
笹部君が好きやって言ってくれるんやったら、俺、覚悟を決めるでっ
二人のとき限定でもええんやったら、全然するし。
アリスだけが好みなんやったら、バスケ部と椎名さんと交渉してウィッグも纏めてセットで譲ってもらうし。

うんって笹部君の寝顔眺めて気合を入れてたんやけど、かなちゃんからは目をスーーーっと細められてな。
え、そんな怖い目で見られたらゾクゾク寒気がしてくるやん。
え、なんなん?
怖い、かなちゃんが怖いっ


「三枝・・・それは、無いんじゃないか?
変異種Ω、カッキーだとバレたほうがまだ納得が行くぞ」

「そっちの方が、思いつかへんよ。
俺、あれから笹部君と喋れてへんし、生徒会室に入って話しかけられたんが告白やってんもん。
かなちゃんやみこちゃん、あと菊川君も先生も秘密にしといてくれてるやろ?」


俺がつい口を滑らせたとかは絶対無いし、昔のこと覚えてへんから匂わせたとかも無いしな。
どう考えても、バレる方が有り得へん。
これには、かなちゃんも唸ってしもた。
直後に扉が開いて、菊川君が入ってくる。
珍しく慌ててる。


「カナ、用意出来た?
シークレットライブの情報が漏れたらしくて、体育館に人が集まってきているらしい。
まだそれほど大きな騒ぎにはなってないけど、竹居は時間の問題だって。
放送部に依頼して、急遽講堂に中継の手配をすることになった」


わぁ、どこから漏れたんやろ。
あんなに関係者には箝口令が敷かれてたのに。

シークレットライブは、芝浦君の妹、現役アイドル凛ちゃんが学園祭を盛り上げるために自分からなにか出来る事はないかって生徒会へ話をしに来てくれてん。
生演奏は無理やし、音源編集してな。
竹居君と俺でセットリストも作ってんで。

体育館で15時半からアンコール込みで20分。
凛ちゃんのワンマンライブやけど、学園歌の全員唱和もあるねん。
どうせやったら、茅野学園らしくしよって凛ちゃんのアイデアやで。

ちょうど俺と笹部君の巡回時間と重なるしな。
竹居君、コピー不可の今後の学園祭資料として記録を残してくれるって言ってくれてた。
まだ14時過ぎたとこで、一時間以上も前やのに。
それに、今体育館を使ってくれてる演者さん、大丈夫やろか。
騒いだりせんと、観てくれてたらえぇんやけど。

かなちゃんは、すぐに頭を切り替えてな。
今後のことを、菊川君と話し出した。
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