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29 学園祭
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ベージュのタータンチェック柄のベストを羽織り、修学旅行で購入したネコ耳カチューシャを頭につけてみる。
ちなみにクラス全員、兎か犬か猫のケモ耳カチューシャを一日つけることになっている。
修学旅行で俺は買わなかったが、キャラクターの中に兎も犬もいてカチューシャが売られていたらしい。
三枝が去年から着けているウサ耳も、過去に誰かが修学旅行で買ってきたもの。
バスケ部の部室のロッカーで、毎年恒例学園祭のコスプレ喫茶でいつか使うだろうと眠っていたらしい。
因みに、今年のバスケ部のコスプレ喫茶のテーマはゾンビだ。
命は、本来なら狼の耳なんだが、犬も狼もわからないでしょうと黒のイヌ耳を着けている。
クラスの人数分のケモ耳カチューシャは、去年修学旅行に参加している上級生にも呼びかけ揃えたんだ。
流石に尻尾までつけているのは、俺と三枝と命だけだ。
ケモ耳で判別出来る三組のストーリーチームは、衣装のテーマカラーでも明確に区別している。
俺の長靴をはいた猫は白、不思議の国のアリスは水色、黒ずきんはもちろん黒。
メインの6人を除く生徒の衣装は、自前や貸し借りで補い予算を節約。
俺達は生徒会優先にさせてもらっているから参加できなかったが、前撮りの翌日に持ち寄った衣装でファッションショー。
ストーリーチーム関係なく有志でまとまっている衣装チームが、全員のコーディネートをしてかなり盛り上がったらしい。
用意された黒の飾りも紐もついていないシンプルな膝上ロングブーツに足を通し、その場で歩いて違和感がないか確認。
ヒールは5cmもあるが、幅が広いので多少走っても大丈夫だ。
当日忘れてはならないと、このロングブーツは昨日から学校に持ち込んだがそれまで屋敷で足に慣らしておいた。
靴擦れの心配も無いはずだ。
ヤマが念の為と、登校前に踵にバンドエイドも貼ってくれているし。
出ていく前に、更衣スペースに置かれた等身大の鏡でチェック。
ん・・・これは、高等部副生徒会長としてどうなんだろうか。
陽太さんに決まった衣装を話したら、とてもとても面白がってくれたが。
実の親には言い出せないままだ。
忙しい人だから、見に来ることはないと思うけれど。
もし来たら、驚いて倒れるかもしれないな。
勉強以外では、あまり目立たないように生きてきたし、こんな格好を学園祭でするなんて考えられなかった。
鏡の中で、猫耳尻尾付き男子が顔を強張らせる。
いやいや、もう決まったことだしな。
うんうん、ここは開き直ろう。
出入り口のダンボールを押して外に出たら、ウィッグを着けてもらった三枝と、ソワソワ身体を揺すっていたヤマが待ち構えていた。
「うわぁ、かなちゃんっっ
めーーーーーっちゃ、可愛ぃでぇっっ」
「おいっ、俺より先に言うなよ!」
「いやいや、そんなんムリやんっ
こんな可愛いかなちゃんを前に、どうやって黙ってるん?」
「ぅぐっ
そ、それはそうだけどっ、俺のカナなんだから、俺にまず言わせろよ」
ヤマは三枝を邪魔だと睨むと、俺の正面を独占。
俺の両手を握り、「凄く可愛い」と改めて全面降伏したくなる満面の笑み付きで褒めてくれた。
自分の番がこんなに可愛いと、ヤマのフェロモンがふわふわ俺を包み込むから、こんな格好も悪くないなと考え直すことにした。
ちなみにクラス全員、兎か犬か猫のケモ耳カチューシャを一日つけることになっている。
修学旅行で俺は買わなかったが、キャラクターの中に兎も犬もいてカチューシャが売られていたらしい。
三枝が去年から着けているウサ耳も、過去に誰かが修学旅行で買ってきたもの。
バスケ部の部室のロッカーで、毎年恒例学園祭のコスプレ喫茶でいつか使うだろうと眠っていたらしい。
因みに、今年のバスケ部のコスプレ喫茶のテーマはゾンビだ。
命は、本来なら狼の耳なんだが、犬も狼もわからないでしょうと黒のイヌ耳を着けている。
クラスの人数分のケモ耳カチューシャは、去年修学旅行に参加している上級生にも呼びかけ揃えたんだ。
流石に尻尾までつけているのは、俺と三枝と命だけだ。
ケモ耳で判別出来る三組のストーリーチームは、衣装のテーマカラーでも明確に区別している。
俺の長靴をはいた猫は白、不思議の国のアリスは水色、黒ずきんはもちろん黒。
メインの6人を除く生徒の衣装は、自前や貸し借りで補い予算を節約。
俺達は生徒会優先にさせてもらっているから参加できなかったが、前撮りの翌日に持ち寄った衣装でファッションショー。
ストーリーチーム関係なく有志でまとまっている衣装チームが、全員のコーディネートをしてかなり盛り上がったらしい。
用意された黒の飾りも紐もついていないシンプルな膝上ロングブーツに足を通し、その場で歩いて違和感がないか確認。
ヒールは5cmもあるが、幅が広いので多少走っても大丈夫だ。
当日忘れてはならないと、このロングブーツは昨日から学校に持ち込んだがそれまで屋敷で足に慣らしておいた。
靴擦れの心配も無いはずだ。
ヤマが念の為と、登校前に踵にバンドエイドも貼ってくれているし。
出ていく前に、更衣スペースに置かれた等身大の鏡でチェック。
ん・・・これは、高等部副生徒会長としてどうなんだろうか。
陽太さんに決まった衣装を話したら、とてもとても面白がってくれたが。
実の親には言い出せないままだ。
忙しい人だから、見に来ることはないと思うけれど。
もし来たら、驚いて倒れるかもしれないな。
勉強以外では、あまり目立たないように生きてきたし、こんな格好を学園祭でするなんて考えられなかった。
鏡の中で、猫耳尻尾付き男子が顔を強張らせる。
いやいや、もう決まったことだしな。
うんうん、ここは開き直ろう。
出入り口のダンボールを押して外に出たら、ウィッグを着けてもらった三枝と、ソワソワ身体を揺すっていたヤマが待ち構えていた。
「うわぁ、かなちゃんっっ
めーーーーーっちゃ、可愛ぃでぇっっ」
「おいっ、俺より先に言うなよ!」
「いやいや、そんなんムリやんっ
こんな可愛いかなちゃんを前に、どうやって黙ってるん?」
「ぅぐっ
そ、それはそうだけどっ、俺のカナなんだから、俺にまず言わせろよ」
ヤマは三枝を邪魔だと睨むと、俺の正面を独占。
俺の両手を握り、「凄く可愛い」と改めて全面降伏したくなる満面の笑み付きで褒めてくれた。
自分の番がこんなに可愛いと、ヤマのフェロモンがふわふわ俺を包み込むから、こんな格好も悪くないなと考え直すことにした。
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