ヘタレαにつかまりまして ２

27 学園祭準備

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近づいてきた指に向かって首を伸ばし、頬に触れる前に怯んで止まったヤマの指をハムッとくわえる。
俺の口では、いくら奥までと開けても第二関節までが精一杯。
太くて堅くて俺より長いヤマの指。
ヤマの身体の一部を含んだだけで、ゾクゾクと腰から腹部にかけて甘い痺れが走る。

あぁ、もっと奥に、ヤマが欲しい。

身体の内側で逃げ場を探して暴れる熱に操られ、口の中で舌を伸ばし、舐めて転がしチュウッと音を鳴らして吸い上げた。

指を引こうとするヤマの手首を掴んで、整った爪の先を甘噛み。
息を止めて固まるヤマにもわかるよう、敏感な指先にチロチロ舌を這わせ早く頂戴と態度で示す。

頭の中は、ヤマを受け入れることしか考えられずにグズグズで。
無意識に膝を擦り合わせてしまうのを止められない。
俺が確かめなくても、先ほど放ったものと後ろから溢れる蜜で寝間着も下着も濡れて酷いことになっているのは、ここに来るまでに触れてるヤマの方がよくわかってるだろう。

これが番のαの発情に引きずられてるだけだと決めつけて、自分にも俺にも我慢なんて強いるな、バカッ

睨むとベットに乗り上げたヤマが腕を伸ばし、俺の前髪をかきあげて額にキスを落として囁く。


「カナ、本当に無理してない？」

「これ以上、ヤマを我慢するのが、もぉ、無理ぃ」


ガジガジと、引っこ抜かれた指先を噛んでやるが力が入らない。
爪の上で、歯が滑り、舌が震える。

もぉ、本当に限界だ。
ヤマの発情に追いたてられ、番として応えるために身体の変化を強制させられたのは事実だが。
俺だって、ヤマのあんな顔、声、フェロモンに魅せられて高まってスピードは遅いけど求めてるんだぞっ

早く、早く、ヤマが、欲しいっ

余裕が全く無い俺をあやす優しいキスを繰り返され、離れ際にカプッと下唇を牙で甘噛みまでされる。
ピリリと走った心地好い痛みに、ビクビク身体が跳ねて止まらない。


「や、ヤマ、ぉ願い・・・早くっ」


伸ばした手をヤマに握り返されホッとした。
きっと、ヤマなら今からいっぱい・・・

期待した俺の甲に、ヤマは口づけ困ったように微笑む。


「俺、挿れるよりもっと舐めたかったけど・・・カナが望むなら」


ず、ずるぃっ

確かに、さっき、明るい場所でとヤマは言っていたけど。
こんなに俺に挿れたくて堪らない発情で迫ってきておいて、なんでまだそこにこだわってるんだ！

ジワリ、ゴールの遠さに涙が浮かんだ。