ヘタレαにつかまりまして ２

27 学園祭準備

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「それは、今回のメインだからですっ」


キッパリと言い切った梛木委員長は、手元のタブレットを操作して画面を変更。
俺のタブレット画面も連動して切り替わる。
そこには、テーマや簡単な概要が書かれていて、圧倒的知名度を誇るアリス三枝を上手く取り入れて人気ランキング上位を狙おうと言うもの。

学園祭では、専用のQRコードからクラスの展示や演目の人気投票が行われる。
一人一回、良いと思った学年とクラスを3つ、16時までに入力。
集計結果は、即時学園長から発表される。

去年のような展示で茶を濁すクラスもあれば、今日から解禁される学園祭準備期間をフルに使い、講堂で演劇や音楽を発表するクラスもある。
どうやら、二年四組はバスケ部のような喫茶店をしたいようだがテーマはハロウィーンではなくお伽噺。
画面下に、猫と犬と兎が仲良く並んで頭を揺らしている。

・・・この三種類には、心当たりがあるぞ！

顔を上げると、目があった梛木委員長からニッコリと微笑まれる。
まるで、一瞬過った想像を肯定されたようで嫌な予感しかしないんだが。
もしかして、俺も三枝のように担ぎ出されるのか？？


「でも、生徒会役員でもある渡君にクラスにずっといてなんて無理だから、生徒27人を3グループに分けてローテーション。
提供するお菓子や飲み物は前日までに用意して、当日の手間暇は最低限に押さえることで各自の自由時間も確保します」


梛木委員長の指が軽やかに動き、画面が切り替わる。
と、同時に教室全体がざわついた。


「長靴を履いた猫チームは、かな姫がメイン。
赤ずきんチームは、みこたんがメイン。
不思議の国のアリスチームは、渡君がメイン。
この衣装デザインは、文芸部有志で考えた仮のものだけど、耳と尻尾は必ずつけていただきますっ
お伽噺は、フェアリーテイルで尻尾って入ってるしね。
三部制に分かれちゃうところを、その尻尾で繋がりを持たせようと思ってるの」


こ、これを俺が着ることになるかもしれないのか？？
衣装デザインの上には、お伽噺のタイトルロゴまでデザインされていた。
そのロゴがなくても、俺がメインと言われた衣装がどれかなんて迷いようもないくらいにモチーフとなった話がデザインに取り込まれている。
絵は、文芸部提供だけあってやけに上手い。
そこには、耳と尻尾をつけた三人の少女・・・にしか見えない俺達が、正面と側面の2パターン、計6パターンで描かれていた。