上 下
604 / 911
25 体育祭

13

しおりを挟む
どうもその眼鏡は、変身するときに使うアイテムらしい。
俺が話についていけずにいたら、女子生徒からこちらが止めないと延々解説されそうな勢いで熱く語られた。
樟葉も知らなかったらしく、「ほぅ、ほぅ」と頷きながら聞いていた。
赤いハート型の縁にピンクのレンズ。
遠目からでも目立つ。

体育祭では、学園祭のような私服は許されないが、両祭を通じて使用するなら揃いのシャツや髪飾り等は許されている。
樟葉の眼鏡については、デザインも派手だし明らかにアウトではと思うんだが、女子生徒の一人が教師に許可を得てきた。
理由は、目の白濁を隠すため。
それなら、アイパッチに戻せと言われるんじゃないかと思ったがあっさり通ったらしい。


「よっし、出来たわよっ」

「主人公もえみちゃんの変身前の髪型~」


樟葉の両隣にいた女子生徒は、満足気に親指を立てる。
両サイドを細かく編み込まれ、前髪はヘアピンで固定されている樟葉に他の女子生徒は拍手。
サイズの合わないジャージの袖をまくった樟葉は、エヘヘと口許を両手で隠して照れ笑い。

可愛い。

三枝もつられて手を叩いたので、俺も倣った。
元々のキャラクターはわからないが、似合っているぞ。


「ここまでする意味があるのか?」

「やだなぁ、かな姫、大有りだよ!
私達の士気が上がるっ」

「みこちゃんを守って見せるわっ」

「みこちゃん、安心してねっ」

「あ、ありがとぅ。
僕も頑張るよぉ」


手と手を取り合って、大盛り上がり。
なんでも、樟葉が真似たキャラクターはドジっ子主人公で他のキャラクターがその援護しながら敵を倒すストーリーなんだとか。
小さい頃、いつかそのもえみちゃんとやらを守って地球の平和も守るんだと女の子なら誰もが夢見たそうだ。
まぁドジっ子なら、樟葉にピッタリだな。

樟葉の変身に気付いた他のクラスの女子生徒も、ザワザワとこちらを指差している。

そのまま流れで作戦会議に入り、俺は女子生徒二人と外野。
三枝と樟葉は、他の女子生徒と内野になった。
俺と三枝が主にボールを回しながら、相手のクラスを攻撃しようと言われてヨシッと気合いが入る。

試合前に10分の練習時間もあるし、そこで飛距離の調整をしよう。
三枝はバスケ部だから、ボールの扱いには慣れているからな。
後半戦が終了したので、そのままコートに入ろうとしたら三枝から申し訳なさそうに袖を引っ張られた。

・・・あぁ、笹部に声をかけるんだったな。
どうやら、話をする心の準備は十分出来たようだ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

彼氏に身体を捧げると言ったけど騙されて人形にされた!

ジャン・幸田
SF
 あたし姶良夏海。コスプレが趣味の役者志望のフリーターで、あるとき付き合っていた彼氏の八郎丸匡に頼まれたのよ。十日間連続してコスプレしてくれって。    それで応じたのは良いけど、彼ったらこともあろうにあたしを改造したのよ生きたラブドールに! そりゃムツミゴトの最中にあなたに身体を捧げるなんていったこともあるけど、実行する意味が違うってば! こんな状態で本当に元に戻るのか教えてよ! 匡! *いわゆる人形化(人体改造)作品です。空想の科学技術による作品ですが、そのような作品は倫理的に問題のある描写と思われる方は閲覧をパスしてください。

愛理の場合 〜レズビアンサークルの掟〜

本庄こだま
恋愛
 美貌と妖艶。倒錯した性欲の覚醒。汚れた世界で信じられるものは、自分自身の“肉体”のみ……。  ウリ専レズビアンの「愛理」は、今宵も女を求めてホテル街に立ち、女に買われ、そして女に抱かれる。  ある夜、一人のレズナンパ師「恭子」に出会い「レズサークル」の乱交パーティーへと誘われた事から、愛理の運命の歯車が歪な音を立てて動き出すーー。  ※この作品は過度な性描写があります。18歳未満の方の閲覧はご遠慮ください。  ※この作品には同性愛描写、ふたなりの登場人物等、アブノーマルな設定が登場します。苦手な方はご注意ください。

Mな生活

ちくたく
恋愛
S彼女とのプレイでMとして成長する物語です。

【短編集】リアル・ラブドールの憂鬱

ジャン・幸田
SF
 ラブドールに中の人はいない! はずだが、実は我がキジネコ・サービスが提供するサービスは本物の女の子が入っている。そんな、中の人にされた女の子の苦悩とは? *小説家になろうのアダルトコンテンツに同名で連載している作品と同じです。

お父様、自業自得という言葉をご存じですか? 悪いのは全て貴方です。

ノ木瀬 優
恋愛
 幼くして、実母を亡くしたレイラ。その翌日、父は、新しい妻と私と年の変わらない娘を家に連れて来た。しかし、父も義母も義妹もレイラに冷たく当たる事もなく、むしろ、優しく接してくれる。その優しさの裏には、ある計画があった…………。  全5話 本日中に完結します。  設定甘めでかなりのご都合主義となっております。魔法が万能過ぎて『それありか!?』って感じですが、それでもよければご覧ください。  注 女性軽視な台詞、展開があります。苦手な方はご注意ください。R15は保険です。

今日も推しの元へ辿り着く前に嫉妬が激しい番に連れ戻されます

カニ蒲鉾
BL
 最推し騎士団長ラルド様を陰日向からこっそり眺め観察する事が生き甲斐の王妃(男)ラズと、そんなラズを愛してやまない国王陛下クオーツ様の一瞬即発奮闘劇。 「はぅあっラルド様今日もしゅてきっっ」 「ラズ?私以外の存在に興奮しないで?」 「うるさい、クオーツ様あっち行って、しっしっ」 ◆ラズ(22)Ω  …王妃、前世の記憶あり ◆クオーツ様(29)α  …国王陛下、見た目爽やか激重愛情嫉妬の鬼 ◆ラルド様(32)α  …騎士団長、落ち着いた大人な男性、筋肉 ◆トール、マリン(29)β  …双子、クオーツ様とラズの側近兼護衛兼愚痴聞き役 少しでもR-18展開のお話にはタイトルに※付けます。

クエスト

三日月
BL
盗賊アルトが奴隷市場で助けた幻の獣人ユア。その日からすっかり懐かれてしまい、一緒に行動していた。天真爛漫なユアに振り回されつつ、クエストをこなすアルト。とある盗品の中に、世界が血眼で探すオーパーツが含まれていたことで騒動に巻き込まれてしまい⋯⋯ 苦労人盗賊と獣耳の物語。 BLove様第三回短編小説コンテストテーマ『世紀末オメガバース』応募作品第三弾

Bグループの少年

櫻井春輝
青春
 クラスや校内で目立つグループをA(目立つ)のグループとして、目立たないグループはC(目立たない)とすれば、その中間のグループはB(普通)となる。そんなカテゴリー分けをした少年はAグループの悪友たちにふりまわされた穏やかとは言いにくい中学校生活と違い、高校生活は穏やかに過ごしたいと考え、高校ではB(普通)グループに入り、その中でも特に目立たないよう存在感を薄く生活し、平穏な一年を過ごす。この平穏を逃すものかと誓う少年だが、ある日、特A(特に目立つ)の美少女を助けたことから変化を始める。少年は地味で平穏な生活を守っていけるのか……?

処理中です...