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22 夏休み side 命
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菊川家の結婚発表を機に、Ωに対する世間の目が変わる流れが生まれようとしていたからね。
御珠神社側から意を決して、祖神様へ捧げる神子制度の撤廃を御三家に伺ったんだ。
いつの時代も、Ωに冷たいαばかりじゃない。
自分の怪我や病気を身に受けて苦しむ番。
秘伝書の力で、すぐに祖神様の供物となれるよう早められた発情に啼く幼い子ども。
樟葉家に婿入りした歴代の宮司は、神子制度だと割り切らずに考えてくれていた。
いつか、この制度を無くそうと。
御三家は、伝説と化してる祖神様の末裔と違って今も存在してその血が受け継がれている。
美の橘、智の榊、武の薺(なずな)。
世間に溶け込むために、一番の特徴だった祖神様に許されたこの名字一字を二字に変えて、強すぎるフェロモンを抑えて。
御三家でも直ぐには話がまとまらなくて、それまでに生まれてしまった僕には秘伝書が使われたんだけどね。
その後の回答で、承認されるだけじゃなく、僕がその任から解かれることまで御三家側から提案されたんだ。
神子制度の撤廃に、最後の神子を任から解放する。
こんなことを、御珠神社を信仰してきたαが一度に受け入れるなんて無理。
それを見越して、御三家側から撤廃することを提案されたと総会で発表するように、証明書まで作成されていた。
御三家にも反対する家はあったんだけど、この神子制度が未だに守られていたことに驚いてる人が多かったんだって。
父上達は、祖神様に楯突く行為だと罰せられる覚悟をしていたからね。
もっと早く伺えば良かったと、笑って。
涙枯れるまで墓前で泣いたんだって。
うん、これこそ笑ってしまう。
時代に取り残され、隔離され、僕達Ωは一体何を守らされてきたんだろう。
御珠神社側から意を決して、祖神様へ捧げる神子制度の撤廃を御三家に伺ったんだ。
いつの時代も、Ωに冷たいαばかりじゃない。
自分の怪我や病気を身に受けて苦しむ番。
秘伝書の力で、すぐに祖神様の供物となれるよう早められた発情に啼く幼い子ども。
樟葉家に婿入りした歴代の宮司は、神子制度だと割り切らずに考えてくれていた。
いつか、この制度を無くそうと。
御三家は、伝説と化してる祖神様の末裔と違って今も存在してその血が受け継がれている。
美の橘、智の榊、武の薺(なずな)。
世間に溶け込むために、一番の特徴だった祖神様に許されたこの名字一字を二字に変えて、強すぎるフェロモンを抑えて。
御三家でも直ぐには話がまとまらなくて、それまでに生まれてしまった僕には秘伝書が使われたんだけどね。
その後の回答で、承認されるだけじゃなく、僕がその任から解かれることまで御三家側から提案されたんだ。
神子制度の撤廃に、最後の神子を任から解放する。
こんなことを、御珠神社を信仰してきたαが一度に受け入れるなんて無理。
それを見越して、御三家側から撤廃することを提案されたと総会で発表するように、証明書まで作成されていた。
御三家にも反対する家はあったんだけど、この神子制度が未だに守られていたことに驚いてる人が多かったんだって。
父上達は、祖神様に楯突く行為だと罰せられる覚悟をしていたからね。
もっと早く伺えば良かったと、笑って。
涙枯れるまで墓前で泣いたんだって。
うん、これこそ笑ってしまう。
時代に取り残され、隔離され、僕達Ωは一体何を守らされてきたんだろう。
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