ヘタレαにつかまりまして ２

19 夏休み side 陸

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プールに向かう前に、フロントに寄って客室用のペットボトルを一本手配。
蓋を直ぐに飲めるように、軽く捻ってから三枝に渡す。
俺の後ろでおとなしく待っていた三枝は、条件反射のようにまず受け取ってから「ん？」と首を傾げた。


「俺の分なん？
喉、まだ乾いてへんで？？」


自覚がねーのか？


「外で待ってたから、喉乾いてんだろ？
その赤い顔も冷やしとけ」


室内照明で、外で見た時より赤みは薄れて見えるが焼けてんだろう。


「か、顔赤ぁなってんの？！」


わぁっと騒いで空いた左手で顔を押さえる。
背後のフロント担当者は驚いたようだが、何も無かったように黙って仕事に戻った。


「外よりはましになってるけどな」


改めて見ると、そんなに変わらねーな。
ゆでダコに見えてたのは俺の気のせいだったか？
右頬に触れると、少し熱が高いな。
咳はしてねーが、夏風邪か？
近くで見ると、目の下にクマがうっすらついている。
今日泳ぐのがわかってんのに、寝不足でどうすんだ。

親指の腹でそのクマをなぞり、もっと健康状態を知るために熱を測ろうと首へ指を伸ばしたんだが。
ピョーン、と。
三枝が後ろに飛んで離れた。