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18 運命の人
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いつもなら、娘や息子を軽くいなす余裕がある陽太さんも、この状態には度肝を抜かれたらしい。
一度は口に入れたマグロが喉につっかえ、ゲフゲフむせている。
この部屋で待機していた使用人は、床に倒れているので誰もフォローに走れない。
俺がテーブルの向こうへ走り出すより早く、陽太さんは手元にあった湯呑みを掴み、ガブガブとその中の温くなった緑茶を一気に飲み干した。
「ブハーッ」
その場で大きく深呼吸する陽太さん。
肩が上下に大きく動き、よっぽど苦しかったみたいだ。
ガンッと音がなるほど勢いよく湯呑みをテーブルに戻し、遥馬さんと清人さんを見比べながら頭をポリポリかいた。
「他の人間が入ってきたら、また倒れそうだよなぁ。
俺の部屋に移るか・・・
ハルちゃんには聞きたいことがあるし、清人を再起不能なまま二人を離れに戻せねーしなぁ。
清人、とっとと歩け。
ハルちゃんも、俺の部屋は知ってるよな?
あ"ーーー、倭人と桜宮さんはどうすっかなぁ。
今後のこともあるし・・・二人も来とくか?」
「今後って?」
ヤマもそこに引っ掛かったらしい。
ガリガリと、今度は首をかいてる陽太さんに尋ねる。
「今後は、今後。
まだ確証もないから、俺の予感が当たってるかわからないけどな。
おんなじことを桜宮さんに言われたら、倭人も再起不能になるだろ?」
「か、考えたくもない!」
仮定の話しなのに、本気で青ざめているヤマ。
陽太さんの予感と、俺達の今後・・・もしかして、陽太さんの考えていることは俺の考えていることと同じだろうか。
こんな風に、平常の性格からは考えられないくらいに急にイライラしだした姿を身近で見たことがある。
弟咲夜の出産間近、身重な母親の姿だ。
確かに怒らせると怖い人だけど、あの頃は些細なことでも燗に触り、使用人達は震え上がっていた。
俺も父さんと二人で、どうしたものかとぼやいていたくらいだ。
突然怒って、突然泣いて、嵐のように周りに当たり散らしていた。
だが、清人さん越しに遥馬さんの腹部を見てたが、テーブルに競りだすような膨らみはなかった。
一度は口に入れたマグロが喉につっかえ、ゲフゲフむせている。
この部屋で待機していた使用人は、床に倒れているので誰もフォローに走れない。
俺がテーブルの向こうへ走り出すより早く、陽太さんは手元にあった湯呑みを掴み、ガブガブとその中の温くなった緑茶を一気に飲み干した。
「ブハーッ」
その場で大きく深呼吸する陽太さん。
肩が上下に大きく動き、よっぽど苦しかったみたいだ。
ガンッと音がなるほど勢いよく湯呑みをテーブルに戻し、遥馬さんと清人さんを見比べながら頭をポリポリかいた。
「他の人間が入ってきたら、また倒れそうだよなぁ。
俺の部屋に移るか・・・
ハルちゃんには聞きたいことがあるし、清人を再起不能なまま二人を離れに戻せねーしなぁ。
清人、とっとと歩け。
ハルちゃんも、俺の部屋は知ってるよな?
あ"ーーー、倭人と桜宮さんはどうすっかなぁ。
今後のこともあるし・・・二人も来とくか?」
「今後って?」
ヤマもそこに引っ掛かったらしい。
ガリガリと、今度は首をかいてる陽太さんに尋ねる。
「今後は、今後。
まだ確証もないから、俺の予感が当たってるかわからないけどな。
おんなじことを桜宮さんに言われたら、倭人も再起不能になるだろ?」
「か、考えたくもない!」
仮定の話しなのに、本気で青ざめているヤマ。
陽太さんの予感と、俺達の今後・・・もしかして、陽太さんの考えていることは俺の考えていることと同じだろうか。
こんな風に、平常の性格からは考えられないくらいに急にイライラしだした姿を身近で見たことがある。
弟咲夜の出産間近、身重な母親の姿だ。
確かに怒らせると怖い人だけど、あの頃は些細なことでも燗に触り、使用人達は震え上がっていた。
俺も父さんと二人で、どうしたものかとぼやいていたくらいだ。
突然怒って、突然泣いて、嵐のように周りに当たり散らしていた。
だが、清人さん越しに遥馬さんの腹部を見てたが、テーブルに競りだすような膨らみはなかった。
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