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18 運命の人
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「遥馬さん、遥馬さーーーんっ」
スマホに向かって名前を呼んでみるが、俺の声は届いてないらしい。
平然としている清人さんと、イライラしている遥馬さんの会話が続いている。
『ハル、何を怒ってるんだ?』
『何をって・・・清人が、酷いこと言うからだろう?!』
『酷いこと?』
『そりゃ、清人は何でも出来るし、それに比べたら俺は出来ないことばかりだけど。
俺だって人の役に立ちたいんだ!
もう、放っておいて!
着いて来ないで!』
『ちょっと待てよ、ハル。
俺が何でも出来ないことは、知ってるだろう?
何を怒ってるんだ?
俺は、ただ・・・』
バタンッと扉が閉まる大きな音の後、清人さんの声は途絶えた。
どっと、冷や汗が額だけでなく掌にも滲む。
こ、これは、かなり、ヤバイ状況だぞ!
『もぅ、俺だって出来ることが有るかもしれないじゃないかっ
清人ってば酷いよっ』
プリプリ怒っている遥馬さんの声が先程より遠い場所から聞こえてくる。
清人さんをその場において、スマホを手にして他の部屋に移動しているようだ。
俺は、二人の声を聞いてるだけだが、清人さんの言葉を遥馬さんが完全に誤解しているとしか思えない。
あんなに甘えた声で、遥馬さんを独占したがる清人さんなんだから、ただ他人を構って欲しくないだけじゃないのか?
なんで遥馬さんはこんなに怒っているだ?
αが、格下の人間を邪険にするのは珍しいことじゃないし、清人さんなら遥馬さん以外にいつもこんな調子だろう。
「あ、あの遥馬さん?遥馬さん?」
『あ、奏ちゃん?
俺は、いつでも大丈夫だから、その子が来れる日に合わせるよ』
俺の声が聞こえた途端、声のトーンが下がり普段の穏やかで優しい遥馬さんの声に戻る。
俺が一部始終を聞いていたことは、気付いてないようだ。
これは、俺が誤解を解くべきなのか?
だが、どうやって・・・
こんな場面に出くわすほど、他人と関わることが無かった俺には難しいっ
躊躇っている間に、『じゃあ、連絡待ってるね。本当にいつでも良いからね』と電話は切られてしまった。
隣に立っていた萩野に助けを求めて見上げると、既に姿がない。
俺に何とかしろと?
この二人の仲裁をしろと?
清人さんから、お前が電話をしてきたせいで遥馬さんがおかしくなったと責められるんじゃないのか??
あっちでも、こっちでも、俺には手に余ることが起こりすぎだ!
スマホに向かって名前を呼んでみるが、俺の声は届いてないらしい。
平然としている清人さんと、イライラしている遥馬さんの会話が続いている。
『ハル、何を怒ってるんだ?』
『何をって・・・清人が、酷いこと言うからだろう?!』
『酷いこと?』
『そりゃ、清人は何でも出来るし、それに比べたら俺は出来ないことばかりだけど。
俺だって人の役に立ちたいんだ!
もう、放っておいて!
着いて来ないで!』
『ちょっと待てよ、ハル。
俺が何でも出来ないことは、知ってるだろう?
何を怒ってるんだ?
俺は、ただ・・・』
バタンッと扉が閉まる大きな音の後、清人さんの声は途絶えた。
どっと、冷や汗が額だけでなく掌にも滲む。
こ、これは、かなり、ヤバイ状況だぞ!
『もぅ、俺だって出来ることが有るかもしれないじゃないかっ
清人ってば酷いよっ』
プリプリ怒っている遥馬さんの声が先程より遠い場所から聞こえてくる。
清人さんをその場において、スマホを手にして他の部屋に移動しているようだ。
俺は、二人の声を聞いてるだけだが、清人さんの言葉を遥馬さんが完全に誤解しているとしか思えない。
あんなに甘えた声で、遥馬さんを独占したがる清人さんなんだから、ただ他人を構って欲しくないだけじゃないのか?
なんで遥馬さんはこんなに怒っているだ?
αが、格下の人間を邪険にするのは珍しいことじゃないし、清人さんなら遥馬さん以外にいつもこんな調子だろう。
「あ、あの遥馬さん?遥馬さん?」
『あ、奏ちゃん?
俺は、いつでも大丈夫だから、その子が来れる日に合わせるよ』
俺の声が聞こえた途端、声のトーンが下がり普段の穏やかで優しい遥馬さんの声に戻る。
俺が一部始終を聞いていたことは、気付いてないようだ。
これは、俺が誤解を解くべきなのか?
だが、どうやって・・・
こんな場面に出くわすほど、他人と関わることが無かった俺には難しいっ
躊躇っている間に、『じゃあ、連絡待ってるね。本当にいつでも良いからね』と電話は切られてしまった。
隣に立っていた萩野に助けを求めて見上げると、既に姿がない。
俺に何とかしろと?
この二人の仲裁をしろと?
清人さんから、お前が電話をしてきたせいで遥馬さんがおかしくなったと責められるんじゃないのか??
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