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15 報告

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「バース性管理における公的機関への情報の届け出は、病院側から即時されています。
出生時のβ証明については、今後使用はできませんのでご注意下さい」


萩野の事務的な説明が、果たして三枝の耳に届いているのか・・・頭の中が、地滑りを起こしてるんじゃないか?
三枝は、目を見開いたまま固まっている。
俺さえ、樟葉から前以て話を聞いていた分のワンクッションがあってもまだ頭の整理がつかない。
初耳の当人なら、信じがたく、現実味もないだろう。


「・・・え、え、え、えぇぇーーーーーっっ」


たっぷり間をとった後の三枝の絶叫に、俺と樟葉は耳を押さえた。

衝撃の事実を受け止めきれず、大混乱。
三枝は、ブルブル震える手で萩野からロール紙を受け取り、その場に立ち上がると。
目の前で両端を持って広げ、顔から遠ざけたり近付けたり・・・そんなことをしても、書かれた文字が変わることはないが、足掻きたいんだろうな。
透かしても何も出ないのに、窓際まで行って陽の光に当てて試している。

そんなことを真っ青な顔で何度も繰り返していたが、遂に観念したようだ。
しばらくの後。
だらりと両腕をさげ、窓際からトボトボ思い足取りで戻ってきた三枝。
がっくりと項垂れ、今にも倒れそう。

やはり、本人にもΩの自覚はなかったようだ。
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