ヘタレαにつかまりまして ２

15 報告

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なんの検査か一切説明していないのに、三枝は萩野に｢こちらへ｣と促されたらなんの躊躇いもなくついていく。
その背中を樟葉と追いかけながら、Ωにしか見えない光が三枝にも見えたことに追加して、三枝の性格も心配になってくる。
俺の教育係でボディーガードという肩書きもあるんだろうが、もう少し疑っても良いと思うぞ？

病院には警備員も配置されていて、各フロアの見晴らしの良い場所に二名一組で立っている。
中には、萩野と顔見知りもいるようで、萩野が見えた途端に姿勢をピシッと正す者もいた。
言葉は交わさないが、きっと何かあったんだろうな。
まぁ、普通の警備員相手に萩野が本気で何かはしないだろうが。

俺は、取り上げられたのはこの病院だったが、生後診断でΩとわかってからは、予防接種も病気も屋敷まで医師や看護師に来てもらっていたからな。
去年、大々的に顔が報じられたが、今まで来ていなかった俺と今更こんな場所で会うとは思われていないんだろう。
すれ違うスタッフにも俺が桜宮の人間だと気付かれないまま、すんなり応接室に入った。

三枝は、間も無く後から入ってきた看護師と診察室へ連れていかれ。
残った三人には、事務員から麦茶とお菓子が差し入れられる。


｢お昼は、病棟のレストランからこちらに持ってきてもらいましょう。
検査の結果も、時間がかかりますからね｣


どこから取り出したのか、萩野の手にはメニュー表が並んでいた。