ヘタレαにつかまりまして ２

14 修学旅行 side 倭人

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｢すまない、倭人さん。
秋楽叔父さんは、昔から口が悪くて・・・本人なりに誉めてるつもりなんだ｣


カナは軽い溜め息をついてフォロー。
約束させるのを諦めて走り出した。

俺は、カナの隣を走りながら。
気にしてないと、流すつもりでいたのに。


｢奏、俺様にむかってなんだよ、その言い方～｣


桜宮は、隣を走る奏の頭を気安く触り、クシャクシャとかき混ぜたっっ
カナは、その手を邪魔だとすぐにはね除けたけど。
完全に拒否するような冷たさはそこにはなくて、ふざけあってるような親しさが滲む動作・・・俺が知らないカナが、二人の間に確かにあるんだろうけど、けどっ

ーーームカつく。

押さえきれない苛立ちで、爆発的にフェロモンを広げそうになる。
慌てて無理矢理閉じ込めたが、桜宮もカナにも気付かれてしまった。
相手はカナの身内で、群れに近づくことを許可したのは俺なのに。
謝るより先に、桜宮から満面の笑みを向けられる。


｢あぁ？
なんだよ、なんだよぉ。
こんなんも、嫉妬すんのかよ？
噂よりちゃんと愛されてんだなぁ～｣


俺の顔を覗いて来ようとする桜宮。


｢煩い、秋楽叔父さんっっ｣


顔を真っ赤にしたカナが、手を伸ばしてペシッとその後頭部を叩いた。