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13 修学旅行

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「フェロモンが無くても、秋楽の体術は桜宮として狙われても対処できるレベルなんだ。
二人でも無理だ」


ギュッと抱き締めてくる腕に触れて、もう一度頼む。
俺はついていけなかったが、桜宮の護衛術修行は幼少から身に染み付くまで徹底される。
もちろん、普通の、ボディガードはつくが。
桜宮財閥相手に、誘拐や脅迫を企てる相手につけ込まれないよう自己防衛が必須なんだ。

俺には、α同士の格付けが正確にはわからないが。
秋楽の体術は、武道の心得がある相手でも問題ないレベルなのは知っている。
現に、明らかに有段者の動きをする柴田の動きは簡単に読まれている。

秋楽の性格だと、こちらから手を引かないと止めてくれない。
むしろ、組手感覚でますます楽しんで応じるだろうし・・・


「おらおら、そんなもんか?」

「くっそっ」


芝浦の空振りに終わった腕を掴み、力任せに引き倒す秋楽。
バランスを崩した芝浦の腹目掛け、嗤いながら膝をめり込ませる。
あぁ、もぅ、やりすぎだ!

そのまま地面に蹴飛ばされ、芝浦は腹部を抱えたまま尻餅をついた。
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