ヘタレαにつかまりまして ２

13 修学旅行

14

冷たいジュースが、喉から下へ落ちていく感覚にだいぶ落ち着くことができた。
ヤマにも飲むように勧め、ヤマ越しに隣のベンチに座ってカメラの映像を確認している柴田に目を移した。
手にしているのは、樟葉から預かっていたカメラ。
俺が飲んでいる間に、頭上を滑空していた三人を撮影していたようだ。
その脇には、三枝や芝浦の分も合わせて荷物が置かれている。


｢上手く撮れたのか？｣

｢はい｣


柴田は軽く頷いて、樟葉の鞄にカメラを戻した。
アトラクションの出口階段を見上げたら、手を振りながら降りてくる三人がいたから俺達も手を振り返す。
危うく階段を踏み外しそうになった樟葉に、柴田は腰をあげたが直ぐに座り直した。
芝浦がフォローしたのが見えたからだな。


｢柴田は、ジェットコースターが苦手だったのか？｣


バレンタインコレクションでは、舞台の上空で宙吊り装置の作業確認までしていたんだ。
高所恐怖症と言うわけではないだろう。