ヘタレαにつかまりまして ２

11 修学旅行 side 渡

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｢兄、ですか・・・｣


フムッて柴田君はちょっと考え込んでな。
顔を上げたとき、困ったような、戸惑ってるみたいな。
不思議な顔で俺を見てた。
あれ、違ってたんかな？


｢あまり、そう考えたことはなかったですね。
三枝さん、面白い見方をされますね｣

｢まぁ、俺の思い付きやし、気にせんといて｣


心当たりが無いんやったら、ちゃうんやろし。
そんなに真面目に考えてくれると思ってなかったから、笑って誤魔化した。
柴田君も、穏やかに笑い返してくれる。

修学旅行が来るまで、二人であんまり話したことなかったけど柴田君て話しやすいなぁ。
去年同じクラスになるまで、芝浦君とセットでシバシバコンビは有名やったからな。
よぅ喧嘩してるとか、騒いでるとか。

芝浦君に絡みに行くのも見てたら、ちょっと怖い人なんかなぁって思ってた時期もあってんなぁ。
こうやって話すと、全然そんなことないのがわかるわ。

かなちゃんの周りにいるαは、皆格好が良くてえぇ人ばかりやなぁ。