ヘタレαにつかまりまして ２

11 修学旅行 side 渡

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教室の前で、なんや先生が話してるんやけど。
菊川君とかなちゃんの声が聞こえる生徒はコソコソ。
｢かな姫、無意識に王子を撃墜してるっ｣｢王子、ショックで固まってんじゃん｣｢ちょ、大丈夫？｣

４組は、二人のイチャイチャしてるとこ見んのが好きな生徒が多いねん。
わかってるだけで、男子にαが三人、Ωが二人もいるからクラス構成で女子にはαがおらんみたい。
Ωを隠してる生徒がかなちゃんとみこちゃんの他にいるんかもしれへんけど、βばっかやないかなぁ。

βからしたら、自分達にはない番の繋がりとか、想像しかできひんけどな。
格好良くて賢くて、生徒会長もバッチリこなして完璧煌めき王子様の菊川君と。
Ωって公表してから、綺麗で可愛いんが溢れてる副生徒会長のかな姫のふたりのやり取りは、想像を越えた現実で眩しくてかなわへん。


｢倭人さん、班は男女各２班に分かれるらしい。
三枝や樟葉は一緒の班になってくれるだろうか？｣


先生が、班決めについて話してたんやろな。
かなちゃんはしおりにメモしながら、菊川君に話しかけてるけど・・・菊川君、拗ねて机に突っ伏してるから答えへんのちゃうかな？

あぁ、でも、菊川君、ごめんな。
俺もかなちゃんと夜にいっぱいお喋りしたいし、誘われたら断れへんわ。