ヘタレαにつかまりまして ２

5 誕生日

29

｢じゃあ、もう一個あるし明日・・・｣

｢そ、それは断るっ｣


ヤマが言い終わるまでに、一刀両断。
高鳴っていた心臓が、ヒヤリと冷水を浴びたように萎縮する。
ヤマは、俺を喜ばせようと気を使ってくれたんだろうが。
誕生日という名目があっての我が儘だ。
誕生日でもないのに、そんなこと許されないっ
ヤマが許してくれても、俺が嫌だ。
桜宮家の教育を疑われそうだ！


｢え、でも・・・｣

｢もう、いいから｣


変な気を使うな、番のΩ相手に。
まだ迷いを見せるヤマの、優しすぎるヤマの首に腕を回して濡れた唇を再び重ねた。