ヘタレαにつかまりまして ２

5 誕生日

27

思い通りに行かない、悔しさもあったけど。
もう、こうなってしまっては仕方がない。
ヤマの発情には、どうあっても俺は抗えないんだから。

蕩ける思考に操られ、ヤマの唇をふさいで舌を絡ませる。
熱を帯びた口内を嘗め回して、せめてこれが本意じゃないんだとわかるように生えたての牙にわざとカツンと歯を軽くぶつけてやる。

俺がヤマにマウントしているのに、ヤマの発情が身体の内側から思考も何もかもを崩しにかかってくるから上手く行かない。
快感に溺れそうになりながら、次第にキスの主導権を奪われてしまう。


｢はぁ・・・ん、ふぅっ｣

｢カナ、エロ可愛い・・・うっとりしてる｣


唇を離して、ヤマは自分もうっとりと俺を愛でて鼻を擦り合わせてくる。
うっとりも、するだろう。
こんなに俺が好きだ、好きだと迫ってくるフェロモン漬けにあっていたら。
多幸感で、満たされてしまう。