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3 入学式

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「そんだけ菊川の愛されフェロモンしょってるお前らに、誰が横やり入れてくんだよ。
入れたところで、菊川が通すわけねぇし。
学園祭の一件で、世間にまで大々的に知れ渡ったじゃねぇか」

「違うで、笹部君っ
それでも、不安になるんやって!」


笹部に言い返すのは、俺の向かいに座った三枝の方が早かった。
手に持っていた牛乳パックを一気に飲み干し、トンッとトレイの上に勢いをつけて置く。
「こいつは何を言い出すんだ?」と口には出さないが十分面白がっている笹部に、「わかってへんなぁ」としたり顔で首を振る。


「Ωはな、αとちごて番にも恋愛にも繊細やねん。
一番近くにいる俺らがわかってあげんで、どうするねん!」


「なぁ、かなちゃんっ」と堂々と力説され、同意を求められると・・・当事者の俺の方が恥ずかしいんだが・・・
同じΩの樟葉は、お皿の上のミニハンバーグを切りながら「フフフ・・・、三枝君はおもしろいねぇ」と他人事のような反応。


「うわぁ、もぉ、夢見すぎじゃね?」


竹居は顔をしかめているが、三枝の言ったことに間違いはない。
αは番を何度でも選べるが、Ωは一生に一度きり。
解除されてもそのαに魂が縛られる。

それに・・・俺にとっては初恋で、ヤマとの関係を守ることに必要以上に力が入ってしまっているしな。
注意深くもなる。
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