ヘタレαにつかまりまして ２

3 入学式

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周りを見れば、ヤマに見惚れていた生徒の雰囲気が変わっていた。
ヤマへの憧れや好意より、俺とヤマ二人への優しい見守るような目に変わってる。

なんだ、こんなことで良かったのか・・・拍子抜けしてしまった。
自分で注目されることをしてしまったようだが、結果としては満足だ。
パクンと残りの唐揚げを口にして、安堵の息をつく。


｢かなちゃん、どうしたん？
溜め息ついて・・・心配ごと？
大丈夫？｣


｢ん、心配ごとが無くなった。
ヤマと俺の仲を、新入生にどう周知すべきか・・・入学式でヤマが、まぁ、あれだけフェロモンを俺につけていたが、ヤマに憧れていた生徒は怯まないだろうしな。
一番人が集まるこの場で、宣言でもした方がいいのか考えていたんだが。
今ので十分伝わったみたいでホッとしたんだ｣


真顔で答えた俺に、｢良かったなぁ｣と頷いてくれた三枝。
その隣で笹部が、｢はぁ？｣と嗤いながら明らかに挑発してきてムッとなる。
なんだ、その馬鹿にした態度は？