ヘタレαにつかまりまして ２

2 進路

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行き先をほぼ任せきりにしてしまっているデートも、ヤマは俺の何気ない話から汲み取って興味を持ちそうな場所を選んでくれるし。
俺が何かしたいと思う前に、ヤマは望みを叶えてくれているんだ。
本当に、思い付かない・・・


｢まだ日はあるし、考えておいて？｣


キュッと握っていた手に優しく力が込められる。
ヤマに、気を使わせてしまった。
日があれば、思い付くものなんだろうか？
ヤマにして欲しいこと・・・ヤマにして欲しいこと・・・かなり、難しい。

明日は桜宮家で花見だし、アルバムをヤマに見せる時にでも昔したくて諦めていたようなことを探してみるか。
諦めることが当たり前すぎたからな。
偽装αでいることを優先して、多分、無意識に諦めていたことくらいあるだろう。

ヤマとお互いにおやすみの挨拶を交わして、ゆっくり目を閉じた。