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どれくらい泣いていたんだろう。
ローテーブルの上にあったティッシュを全て使い果たして、涙も枯れ果てたのか出てこなくなり。
スンスン鼻をすすりながら、ソファーに座ったヤマに抱っこされてぐずぐず・・・


「ヤマのせぃだ・・・」

「うん、うん、ごめん」


背中をポンポン優しく叩かれ、あやされて。
こんなのまるで子ども、赤ちゃんみたいだ。
弟の咲夜だって、ちいさいころこんなに泣いていただろうか?
はっきり思い出せない。

あぁ、もぅ、恥ずかしい、恥ずかし過ぎる。
そう頭の隅ではわかっているのに、この状況が心地よくて止められない。
ヤマのせいというよりもおかげなのに。
ヤマが悪いことなんて何一つないのに。

甘やかして、甘やかして、俺の我が儘を引き出してくれる番に甘えて訳もわからず責めている。
絶対に後で恥ずかしくて堪らなくなるとわかっているに。
ここが、自分がなにも構えず、素直になれる場所だとわかっているから。

少し落ち着いたと思って、ヤマの胸から顔をあげてみる。
でも、ヤマと目が合うと、もうダメだ。


「ヤマの、バカァ」

「うわぁ・・・カナが可愛すぎてどうしよう・・・」


ヤマは、泣き腫らしてひどい顔になっている俺を眺めて。
蕩ける笑顔で「可愛い」「大好き」と囁きながら、熱を持ってしまった瞼や頬に軽いキスを繰り返す。

結局、落ち着かないまま、夕食時間になってしまった。
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