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番外編
真似っこ、お揃い、あのひとと 12
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私が中学生だった時も、私の母校でもあるここで教鞭をとっていた御木先生。それから巡り巡ってのこの春。この学校に戻って来たのよね。αでも、Ωでもないβで・・・取り立てて凄いことが出来る訳じゃないんだけど。
生徒だった時から、気付いたら目で追っちゃってたゆるキャラ先生。私の周りには居なかったタイプ。と、言うよりも、親からして個性が強過ぎるのよね。私の周り。
んーっっ、私の癒しは、世良ちゃんとこの人だけだわ。そぅ、見てるだけで癒やされちゃうし、言葉を交わしたら和んじゃう。身も心も潤うのよね。
「いやぁ、花姫が先生になってるとは思わなかったなぁ」なんて。
就任の挨拶に初めて学校に顔を出されたとき、私が名乗る前に昔と変わらないふわふわ笑顔で言われたら・・・しかも、担任に一回もならなかった私のことを覚えてくれていたとか。昔、周りから呼ばれていた渾名まで把握されていたりとか・・・
先生じゃなかったら、「そうですか?」ってクールに軽く受け流せていたのになぁ。「わ、私のこと、覚えてくれていたんですかっ」って、声が裏返っちゃったわよ。周りに居た他の先生から、ドン引きされたわよ。見ちゃいけないものを見てしまったって顔で、サササッと離れられたわよっ
でも、そんなの全然気にならなかったわ。その後聞いた中年太りのぽっこりお腹のせいで、どこの学校に行っても生徒からコロ丸って呼ばれるんだよエピソードとか。はぁ、可愛いしかないわよね。コロ丸って、もぉ!しかも、苦笑いなのに生徒から言われて悪い気がしてないのを滲み出しながら話してて・・・可愛すぎてキュンキュンしちゃったわよっ
「あの頃のファンがこのこと知ったら、俺、殺されちゃいそうだね。
あー、でも、今の萩野先生のファンに知られてもおんなじかなぁ」
毎回お弁当を噛み締めながら、同じことを話しちゃうところも可愛い。それから、毎回彩りや味付けを誉めて貰えるとにやけてしまう。ずーっと独身で、コンビニやカップラーメンのお世話になっていると聞いて。メタボ対策名目で、お弁当をごり押ししたのは私の方なのよね。
御木先生と二人でゆっくり食べたいから、生徒が保健室で休みたい、勉強したい、ご飯食べたいといってくる前に心のケアと各クラスのカースト監視もガッチリやり始めちゃったわよ・・・いや、まぁ、それが仕事なんだけど。世良ちゃん守護で、無理矢理潜り込んだ当初の目的も忘れてないんだけど。
どんなαに言い寄られても全く動かされなかった気持ちが、御木先生の前では揺れ動いてグラグラしちゃうとね。私から見たら、全然良さが見えない草開 茜に、世良ちゃんが惚れてしまってることについても、もう、なんにも言えなくなっちゃうわよね。
生徒だった時から、気付いたら目で追っちゃってたゆるキャラ先生。私の周りには居なかったタイプ。と、言うよりも、親からして個性が強過ぎるのよね。私の周り。
んーっっ、私の癒しは、世良ちゃんとこの人だけだわ。そぅ、見てるだけで癒やされちゃうし、言葉を交わしたら和んじゃう。身も心も潤うのよね。
「いやぁ、花姫が先生になってるとは思わなかったなぁ」なんて。
就任の挨拶に初めて学校に顔を出されたとき、私が名乗る前に昔と変わらないふわふわ笑顔で言われたら・・・しかも、担任に一回もならなかった私のことを覚えてくれていたとか。昔、周りから呼ばれていた渾名まで把握されていたりとか・・・
先生じゃなかったら、「そうですか?」ってクールに軽く受け流せていたのになぁ。「わ、私のこと、覚えてくれていたんですかっ」って、声が裏返っちゃったわよ。周りに居た他の先生から、ドン引きされたわよ。見ちゃいけないものを見てしまったって顔で、サササッと離れられたわよっ
でも、そんなの全然気にならなかったわ。その後聞いた中年太りのぽっこりお腹のせいで、どこの学校に行っても生徒からコロ丸って呼ばれるんだよエピソードとか。はぁ、可愛いしかないわよね。コロ丸って、もぉ!しかも、苦笑いなのに生徒から言われて悪い気がしてないのを滲み出しながら話してて・・・可愛すぎてキュンキュンしちゃったわよっ
「あの頃のファンがこのこと知ったら、俺、殺されちゃいそうだね。
あー、でも、今の萩野先生のファンに知られてもおんなじかなぁ」
毎回お弁当を噛み締めながら、同じことを話しちゃうところも可愛い。それから、毎回彩りや味付けを誉めて貰えるとにやけてしまう。ずーっと独身で、コンビニやカップラーメンのお世話になっていると聞いて。メタボ対策名目で、お弁当をごり押ししたのは私の方なのよね。
御木先生と二人でゆっくり食べたいから、生徒が保健室で休みたい、勉強したい、ご飯食べたいといってくる前に心のケアと各クラスのカースト監視もガッチリやり始めちゃったわよ・・・いや、まぁ、それが仕事なんだけど。世良ちゃん守護で、無理矢理潜り込んだ当初の目的も忘れてないんだけど。
どんなαに言い寄られても全く動かされなかった気持ちが、御木先生の前では揺れ動いてグラグラしちゃうとね。私から見たら、全然良さが見えない草開 茜に、世良ちゃんが惚れてしまってることについても、もう、なんにも言えなくなっちゃうわよね。
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