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番外編
おまけ 雪日記 5
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「嵐に、もっと雪さんのこと気を付けるように言わないとダメかな?
他に気を取られると、そっち以外のことが手付かずになるからなぁ」
由良さんは、「ふむ」と思案顔。俺のことを、自分の子どもみたいに心配してくれてるのがわかるからむず痒い。なんつーか、あったかいんだよな。ゆらファームも、嵐の家族も。こんな、どこで生まれたのかもわかんねぇ俺を、あたりめーに受け入れて。俺の過去を知っても、変わらずあったかいままでいてくれてる。
「大丈夫ッスよ。
俺も気ぃつけますから」
「いやいや、アイツは雪に甘えすぎ!
そうだ、次薄れたまま出勤してきたら、俺が代わりにつけて帰すとか、どうよ?」
「嵐、ショック受けて次から忘れなくなるかもよ」なんて。青嵐シャチョーは、大発明でもしたみてぇに得意気だ。
俺のこと、心配してくれんのはありがてぇけど。
「・・・勘弁ッス」
嵐以外のフェロモンとか、いくら青嵐シャチョーでも勘弁だ。
元々、かなりブラックな孤児院の前に捨てられてたし、義務づけられてる第二の性検査も受けねぇまま。畑を耕せ、掃除をしろってこきつかうババァが胸糞わりぃし。毎日、そっから逃げ出すことばっか考えて、道を歩いてるだけで絡んでくるバカ相手に喧嘩ばっかして。
小せぇ頃からごつい見てくれだったし、αだっつー周りの言葉もうのみにしてたしな。学校にも行ってねぇから頭もわりぃし、フェロモン操作も習ったことねぇ。αだけど足りねぇとこは、元々の出来がわりぃんだとしか考えて無かった。
他に気を取られると、そっち以外のことが手付かずになるからなぁ」
由良さんは、「ふむ」と思案顔。俺のことを、自分の子どもみたいに心配してくれてるのがわかるからむず痒い。なんつーか、あったかいんだよな。ゆらファームも、嵐の家族も。こんな、どこで生まれたのかもわかんねぇ俺を、あたりめーに受け入れて。俺の過去を知っても、変わらずあったかいままでいてくれてる。
「大丈夫ッスよ。
俺も気ぃつけますから」
「いやいや、アイツは雪に甘えすぎ!
そうだ、次薄れたまま出勤してきたら、俺が代わりにつけて帰すとか、どうよ?」
「嵐、ショック受けて次から忘れなくなるかもよ」なんて。青嵐シャチョーは、大発明でもしたみてぇに得意気だ。
俺のこと、心配してくれんのはありがてぇけど。
「・・・勘弁ッス」
嵐以外のフェロモンとか、いくら青嵐シャチョーでも勘弁だ。
元々、かなりブラックな孤児院の前に捨てられてたし、義務づけられてる第二の性検査も受けねぇまま。畑を耕せ、掃除をしろってこきつかうババァが胸糞わりぃし。毎日、そっから逃げ出すことばっか考えて、道を歩いてるだけで絡んでくるバカ相手に喧嘩ばっかして。
小せぇ頃からごつい見てくれだったし、αだっつー周りの言葉もうのみにしてたしな。学校にも行ってねぇから頭もわりぃし、フェロモン操作も習ったことねぇ。αだけど足りねぇとこは、元々の出来がわりぃんだとしか考えて無かった。
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