319 / 461
316 α 現在
しおりを挟む
日も暮れて、窓枠の外に広がる夜空を眺めながらペットボトルの冷えた水に口をつける。食事の時間を気にして一回で済ますつもりが、どんだけオーバーしたんだ?
由良を喰らうと開き直った俺は、完全に自分の発情に呑まれた。由良が引きずられて発情Ωと化しても、満足出来ずに気を失うまでヤリまくった。盛りのついた十代でもあるまいし、三十過ぎて発情に狂うとか・・・由良のギリギリを見極める余裕もない、こんな無茶な抱き方はいつ以来だ?
布団にくるまり、ぐったりと横たわってる由良の脇で胡座をかきながらその寝顔に目を落とす。赤く腫れた瞼を濡れタオルで覆っているから、口ぐらいしか感情は読めない。けどなぁ、笑ってんだもんな。
身体は、牙で噛まれて血だらけの傷だらけ。暫く消えない青あざも内出血の跡もそこかしこに残っているし、下半身はズタボロでヘロヘロ。なのに、かんなり幸せそうに笑ってる。
乾いた唇をなぞると、ハムッと唇で優しく挟まれる。チューチュー軽く吸ってくるから、よっぽど喉が乾いてるんだな。代わりに、水で濡れた唇で覆うと指と同じく口内の水を求めてくる。
風呂に入れようかと思ったが、昂りすぎた発情が完全には落ち着かなかったからな。追加で襲う可能性が高すぎて、終わったまんまで布団に仰向けに寝かせただけ。散々啼いて喚いて悲鳴を上げて、由良の口はカラッカラだ。そろそろ起こして水を与えるか。
「由良、水飲む?」
肩をゆっくりと揺さぶり、話しかけると。濡れタオルを顔の上から避けて、「(んん、飲、みたい)」と口が動いた。由良の声は、掠れすぎて消え入りそうだ。並みの人間なら、吐く息の音も拾えないな。
由良の身体を起こし、口移しで水を与える。由良は、コクコク喉を鳴らしてから、「はふぅ」と力無く一息。その手首にはくっきり俺の手形がついていて、ずれた布団の下から鬱血した跡が咲き乱れた華のように広がった胸が覗く。由良は身体に力が入らないらしく、俺に凭れたまま、自分の手首を見て笑っている。由良は、俺に跡をつけられるのが好きだからな。
「(ここに来てから、嬉しいことばかりだ)」
「無理に話さなくても良い。
唇の形で読めるから」
相当喉を痛めたな。由良はわかったと頷いたが、それ以上は話さずに黙って俺に身体を預けてくる。シャツ一枚越しに、由良の熱がじわりじわり伝わってきた。
由良を喰らうと開き直った俺は、完全に自分の発情に呑まれた。由良が引きずられて発情Ωと化しても、満足出来ずに気を失うまでヤリまくった。盛りのついた十代でもあるまいし、三十過ぎて発情に狂うとか・・・由良のギリギリを見極める余裕もない、こんな無茶な抱き方はいつ以来だ?
布団にくるまり、ぐったりと横たわってる由良の脇で胡座をかきながらその寝顔に目を落とす。赤く腫れた瞼を濡れタオルで覆っているから、口ぐらいしか感情は読めない。けどなぁ、笑ってんだもんな。
身体は、牙で噛まれて血だらけの傷だらけ。暫く消えない青あざも内出血の跡もそこかしこに残っているし、下半身はズタボロでヘロヘロ。なのに、かんなり幸せそうに笑ってる。
乾いた唇をなぞると、ハムッと唇で優しく挟まれる。チューチュー軽く吸ってくるから、よっぽど喉が乾いてるんだな。代わりに、水で濡れた唇で覆うと指と同じく口内の水を求めてくる。
風呂に入れようかと思ったが、昂りすぎた発情が完全には落ち着かなかったからな。追加で襲う可能性が高すぎて、終わったまんまで布団に仰向けに寝かせただけ。散々啼いて喚いて悲鳴を上げて、由良の口はカラッカラだ。そろそろ起こして水を与えるか。
「由良、水飲む?」
肩をゆっくりと揺さぶり、話しかけると。濡れタオルを顔の上から避けて、「(んん、飲、みたい)」と口が動いた。由良の声は、掠れすぎて消え入りそうだ。並みの人間なら、吐く息の音も拾えないな。
由良の身体を起こし、口移しで水を与える。由良は、コクコク喉を鳴らしてから、「はふぅ」と力無く一息。その手首にはくっきり俺の手形がついていて、ずれた布団の下から鬱血した跡が咲き乱れた華のように広がった胸が覗く。由良は身体に力が入らないらしく、俺に凭れたまま、自分の手首を見て笑っている。由良は、俺に跡をつけられるのが好きだからな。
「(ここに来てから、嬉しいことばかりだ)」
「無理に話さなくても良い。
唇の形で読めるから」
相当喉を痛めたな。由良はわかったと頷いたが、それ以上は話さずに黙って俺に身体を預けてくる。シャツ一枚越しに、由良の熱がじわりじわり伝わってきた。
0
お気に入りに追加
708
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
執着攻めと平凡受けの短編集
松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。
疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。
基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)
君のことなんてもう知らない
ぽぽ
BL
早乙女琥珀は幼馴染の佐伯慶也に毎日のように告白しては振られてしまう。
告白をOKする素振りも見せず、軽く琥珀をあしらう慶也に憤りを覚えていた。
だがある日、琥珀は記憶喪失になってしまい、慶也の記憶を失ってしまう。
今まで自分のことをあしらってきた慶也のことを忘れて、他の人と恋を始めようとするが…
「お前なんて知らないから」
目が覚めたら囲まれてました
るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。
燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。
そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。
チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。
不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で!
独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。
誰よりも愛してるあなたのために
R(アール)
BL
公爵家の3男であるフィルは体にある痣のせいで生まれたときから家族に疎まれていた…。
ある日突然そんなフィルに騎士副団長ギルとの結婚話が舞い込む。
前に一度だけ会ったことがあり、彼だけが自分に優しくしてくれた。そのためフィルは嬉しく思っていた。
だが、彼との結婚生活初日に言われてしまったのだ。
「君と結婚したのは断れなかったからだ。好きにしていろ。俺には構うな」
それでも彼から愛される日を夢見ていたが、最後には殺害されてしまう。しかし、起きたら時間が巻き戻っていた!
すれ違いBLです。
初めて話を書くので、至らない点もあるとは思いますがよろしくお願いします。
(誤字脱字や話にズレがあってもまあ初心者だからなと温かい目で見ていただけると助かります)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる