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疾風は、あっという間に青嵐の背後に回ると、掴んだ右手首を後ろに引いて腕を捻り上げた。青嵐は小さな悲鳴を漏らしたが、疾風は構わず前傾した背中に膝を当て床に落としてしまう。いつ見ても無駄がなく、青嵐が受け身を取れるように力も抜いているのがわかる。
青嵐も、抵抗せずにされるがままだ。床に頭を押し付けられも、「急にひでぇ」と不満を口にするだけ。抵抗する方が、怪我に繋がり危ないからな。
青嵐は、子どもの中で一番疾風に似ている。身長まで、疾風に比べて僅かに小さいくらいだ。こうしたやり取りは、親子というよりまるで兄弟がじゃれあっているようで微笑ましくなる。まぁ、疾風が強すぎて一方的ではあるが。
疾風は、本当に強すぎるからな。
「青嵐、俺はいつも言ってるよな?
俺の邪魔と由良が泣かないことなら、お前らの自由にしてもいいと。
お前は、俺の邪魔をするつもりなのか?
それとも、このたった二つのことを忘れていたって言うなら・・・二度と忘れられなくしてやろうか?」
青嵐は、楽しそうに嗤う疾風に肩を捻られ悲鳴をあげる。そろそろ助けた方が良いのかもしれない。でも、疾風が青嵐に無茶をすることが無いのはわかっているしな。もう少し、このやり取りを見ていたいと思ってしまうのを許してほしい。
疾風は、子どもをこの手で育てたいと言った自分のために萩野家に掛け合ってくれた。萩野家では、子どもは親元から早々に離して仕事が出来るレベルになるまで一括管理するのが普通らしいのだ。出産準備に必要なものを揃え始めたとき、疾風からそのことを説明されて驚いた。
そうしなければ、萩野家が代々受け継がれてきた強さが疾風の子どもに継承されなくなるのはわかったんだが・・・自分は、今目の前の光景が見られる方を選んだ。
疾風は子育てに自分より戸惑っていたが、今ではこんな風に楽しんでいる。感慨深いなぁ。
娘の風花達が、床に引き倒されるのを見るのはハラハラするが・・・青嵐なら心配ない。疾風には、男女で分ける必要なんて無いと言われるんだが、男と比べたら華奢だしな。自分には兄しかいないし、息子より娘にはつい気をかけてしまう。
青嵐は、一向に助けに入らない自分に業を煮やしたようだ。
「由良ぁっ、助けてーーーっ」
青嵐から助けを請われた。疾風の拘束から自力で逃れることなんて出来ないからな。
青嵐も、抵抗せずにされるがままだ。床に頭を押し付けられも、「急にひでぇ」と不満を口にするだけ。抵抗する方が、怪我に繋がり危ないからな。
青嵐は、子どもの中で一番疾風に似ている。身長まで、疾風に比べて僅かに小さいくらいだ。こうしたやり取りは、親子というよりまるで兄弟がじゃれあっているようで微笑ましくなる。まぁ、疾風が強すぎて一方的ではあるが。
疾風は、本当に強すぎるからな。
「青嵐、俺はいつも言ってるよな?
俺の邪魔と由良が泣かないことなら、お前らの自由にしてもいいと。
お前は、俺の邪魔をするつもりなのか?
それとも、このたった二つのことを忘れていたって言うなら・・・二度と忘れられなくしてやろうか?」
青嵐は、楽しそうに嗤う疾風に肩を捻られ悲鳴をあげる。そろそろ助けた方が良いのかもしれない。でも、疾風が青嵐に無茶をすることが無いのはわかっているしな。もう少し、このやり取りを見ていたいと思ってしまうのを許してほしい。
疾風は、子どもをこの手で育てたいと言った自分のために萩野家に掛け合ってくれた。萩野家では、子どもは親元から早々に離して仕事が出来るレベルになるまで一括管理するのが普通らしいのだ。出産準備に必要なものを揃え始めたとき、疾風からそのことを説明されて驚いた。
そうしなければ、萩野家が代々受け継がれてきた強さが疾風の子どもに継承されなくなるのはわかったんだが・・・自分は、今目の前の光景が見られる方を選んだ。
疾風は子育てに自分より戸惑っていたが、今ではこんな風に楽しんでいる。感慨深いなぁ。
娘の風花達が、床に引き倒されるのを見るのはハラハラするが・・・青嵐なら心配ない。疾風には、男女で分ける必要なんて無いと言われるんだが、男と比べたら華奢だしな。自分には兄しかいないし、息子より娘にはつい気をかけてしまう。
青嵐は、一向に助けに入らない自分に業を煮やしたようだ。
「由良ぁっ、助けてーーーっ」
青嵐から助けを請われた。疾風の拘束から自力で逃れることなんて出来ないからな。
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