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自分の意識が戻ったことに気付いた疾風は、虚ろな瞳で見上げてくる。自分の片足を肩にかけたまま、自分の顔を眺める、そのねっとりとした熱を帯びたその瞳の奥に、不穏な狂暴性が見え隠れしていて・・・ドクンッと、心臓が大きく波打った。
「ゆーら、俺、マジでヤバイわぁ」
気だるげに告げた、その息の。身を蕩けさせるような熱さから、疾風が自分をもっと抱きたいと思ってくれていることを感じ。無意識に、キュウッと身体の内側が収縮してしまった。気持ちよりも先に、身体が疾風を求めてしまう。
一瞬、顔をしかめた疾風の表情が、色香を含みすぎていて胸が締め付けられる。久し振りの汗ばんだ肌や、堪える息遣い、穿たれた疾風のペニス・・・自分が負傷したせいで、ずっとお預けになっていた。疾風の腕の中にいる幸せが深すぎる。
嬉しくて頬が緩んだら、疾風は笑われたと勘違いしたようだ。狐目に意地の悪い光を灯し、ツンッと立ち上がった自分の左乳首を牙でガジガジ噛んで来た。
「ふあぅ・・・イタ、イ」
「イタイ、とか、嘘だろ?
由良、すんげぇ、悦んでるし?」
ヒリヒリ痛む乳首を、親指の腹で容赦なく潰して嗤う疾風。番になってからは、甘やかすような抱き方しかされていなかった。こんな、乱暴なことされてなかったのに、なんで?
それでも、ポロッと流れ落ちた涙は、痛みよりも快感から来るもので。自分の変化にも驚く。
「ひゃ・・・ふぁ、んんっっ」
疾風からもたらされるものなら、それが痛みでも悦んでしまう自分が晒され恥ずかしい。病院では、毎日一緒にいたけれど。疾風は、自分の身体を心配してからかい半分にしか触れて来なかった。導火線に火を点けるようなキスはくれたけれど、その先は無し。ずっと渇望していた身体だから、尚更悦んでしまう。
肩に上げられていた左ふくらはぎをねっとり嘗めながら、疾風は爪で乳首を弾いて自分の反応を楽しむ。ビクビクと、反射的に身がすくむがそこから先のことが考えられない。思考が、痛みよりも快感ばかりを掬って意識が朦朧としてしまう。
なんだか・・・おかしい。ねっとり絡み付いてくる疾風のフェロモンに、クラクラしてしまう。発情フェロモンとは違う、αの、雄の、香り。
余裕がない、疾風の表情からも目が離せない。
「ゆーら、俺、マジでヤバイわぁ」
気だるげに告げた、その息の。身を蕩けさせるような熱さから、疾風が自分をもっと抱きたいと思ってくれていることを感じ。無意識に、キュウッと身体の内側が収縮してしまった。気持ちよりも先に、身体が疾風を求めてしまう。
一瞬、顔をしかめた疾風の表情が、色香を含みすぎていて胸が締め付けられる。久し振りの汗ばんだ肌や、堪える息遣い、穿たれた疾風のペニス・・・自分が負傷したせいで、ずっとお預けになっていた。疾風の腕の中にいる幸せが深すぎる。
嬉しくて頬が緩んだら、疾風は笑われたと勘違いしたようだ。狐目に意地の悪い光を灯し、ツンッと立ち上がった自分の左乳首を牙でガジガジ噛んで来た。
「ふあぅ・・・イタ、イ」
「イタイ、とか、嘘だろ?
由良、すんげぇ、悦んでるし?」
ヒリヒリ痛む乳首を、親指の腹で容赦なく潰して嗤う疾風。番になってからは、甘やかすような抱き方しかされていなかった。こんな、乱暴なことされてなかったのに、なんで?
それでも、ポロッと流れ落ちた涙は、痛みよりも快感から来るもので。自分の変化にも驚く。
「ひゃ・・・ふぁ、んんっっ」
疾風からもたらされるものなら、それが痛みでも悦んでしまう自分が晒され恥ずかしい。病院では、毎日一緒にいたけれど。疾風は、自分の身体を心配してからかい半分にしか触れて来なかった。導火線に火を点けるようなキスはくれたけれど、その先は無し。ずっと渇望していた身体だから、尚更悦んでしまう。
肩に上げられていた左ふくらはぎをねっとり嘗めながら、疾風は爪で乳首を弾いて自分の反応を楽しむ。ビクビクと、反射的に身がすくむがそこから先のことが考えられない。思考が、痛みよりも快感ばかりを掬って意識が朦朧としてしまう。
なんだか・・・おかしい。ねっとり絡み付いてくる疾風のフェロモンに、クラクラしてしまう。発情フェロモンとは違う、αの、雄の、香り。
余裕がない、疾風の表情からも目が離せない。
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