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「へぇ、そぉか。
由良は、自分でダシタイんだな?」
ん?暴君の瞳の色が変わる。鼻唄混じりで機嫌が良さそうだったのに、不穏な影がちらついて見える。シャワーを止め、シャワーヘッドを戻し。その背中からは、なにか、危険なモノが立ち込めて見える。
「じゃあ、自分で出す手伝いをしてやるよ」
こちらをもう一度振り返ったときの暴君は、にこやかに穏やかに嗤っていた。ラグを取り上げ、扉の向こう、洗面台の下に投げる手つきは乱暴で。疲労と眠気に倒れそうな自分でも、なにかをやらかしてしまった自覚を促されるくらい、不穏な気配が扉を閉めた後の浴室には満ちていた。
「あ、ご、めんな、さい」
砕けた腰で、狭いバスタブの中を逃げるには元々限界があり。しかも、相手は暴君だ。張り付いたような笑顔を向けたまま、簡単に腕をとられれば逃げ場なんてどこにもない。無意識に、何をされるかわからない怖さに涙が滲む。暴君の前では、虚勢も取り繕うことも出来ない。
自分では、暴君には敵わない。そして、敵わない暴君に組み敷かれた悦びを自分はもう知ってしまった。
「なんで謝るんだ、由良?
手伝ってくれるのか、ありがとう、だろう?」
口角の端を上げる暴君に操られ。
「・・・ありがとう、ござい、ます」
自分は、辿々しく呟いてしまった。
由良は、自分でダシタイんだな?」
ん?暴君の瞳の色が変わる。鼻唄混じりで機嫌が良さそうだったのに、不穏な影がちらついて見える。シャワーを止め、シャワーヘッドを戻し。その背中からは、なにか、危険なモノが立ち込めて見える。
「じゃあ、自分で出す手伝いをしてやるよ」
こちらをもう一度振り返ったときの暴君は、にこやかに穏やかに嗤っていた。ラグを取り上げ、扉の向こう、洗面台の下に投げる手つきは乱暴で。疲労と眠気に倒れそうな自分でも、なにかをやらかしてしまった自覚を促されるくらい、不穏な気配が扉を閉めた後の浴室には満ちていた。
「あ、ご、めんな、さい」
砕けた腰で、狭いバスタブの中を逃げるには元々限界があり。しかも、相手は暴君だ。張り付いたような笑顔を向けたまま、簡単に腕をとられれば逃げ場なんてどこにもない。無意識に、何をされるかわからない怖さに涙が滲む。暴君の前では、虚勢も取り繕うことも出来ない。
自分では、暴君には敵わない。そして、敵わない暴君に組み敷かれた悦びを自分はもう知ってしまった。
「なんで謝るんだ、由良?
手伝ってくれるのか、ありがとう、だろう?」
口角の端を上げる暴君に操られ。
「・・・ありがとう、ござい、ます」
自分は、辿々しく呟いてしまった。
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