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自分の太い腕に絡まる、引き締まっていても華奢に映る腕や肩。暴君が寝息をたてる度に、肌に息や唇が触れてむず痒い。ゾワゾワと、そこを中心に得体の知れない何かが走り抜ける。
「・・・あぁ、おはよう、由良」
瞼を開いた暴君は、何事もなかったように腕をほどいて立ち上がる。見慣れた肢体から感じる雰囲気が、違う。空気に溶け込み、無と一体化していたはずの暴君から、生気を、人の気配を感じる。それは、普通のことで。安心しても良いはずなのに、その動きを見ているだけでドクドク心臓の鼓動が速まり息が詰まる。
まるで、初めて暴君を認識したような、初対面の人を前にした緊張感。
「さ、走り込みにいこうか?」
両手をあげ、上半身を反らしながら浴室に向かう背中に「はい」と返しながら、先程まで暴君が触れていた腕を確かめるように自分の指で掴んでみる。
暴君に触れられた感触も、力加減も、残ってる。それが、ザワザワ朝から気持ちを逆撫でする。これまで隣で寝ていても、一人で寝ている感覚しかなかった。急に、自分はどうしたんだ?
「・・・あぁ、おはよう、由良」
瞼を開いた暴君は、何事もなかったように腕をほどいて立ち上がる。見慣れた肢体から感じる雰囲気が、違う。空気に溶け込み、無と一体化していたはずの暴君から、生気を、人の気配を感じる。それは、普通のことで。安心しても良いはずなのに、その動きを見ているだけでドクドク心臓の鼓動が速まり息が詰まる。
まるで、初めて暴君を認識したような、初対面の人を前にした緊張感。
「さ、走り込みにいこうか?」
両手をあげ、上半身を反らしながら浴室に向かう背中に「はい」と返しながら、先程まで暴君が触れていた腕を確かめるように自分の指で掴んでみる。
暴君に触れられた感触も、力加減も、残ってる。それが、ザワザワ朝から気持ちを逆撫でする。これまで隣で寝ていても、一人で寝ている感覚しかなかった。急に、自分はどうしたんだ?
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