可愛いΩのナカセカタ

三日月

文字の大きさ
上 下
38 / 461

35 Ω

しおりを挟む
「今日から俺の日課に付き合って貰う。
 初日は慣らす程度にするから、辛かったら早めに教えて。
 そこの半勃ちは、抜くなり治めるなりしてこれに入れて。
 髭とか剃らなくていいし、5分以内に出るから急げ」


 更に追加された白のTバックと靴下、帽子、ランニングシューズ。手から溢れて布団の上に落ちていく。言葉と物の乱射に戸惑いながら、言われるがまま着替えて暴君の後についていった。玄関を開ければ、まだ薄暗い。今は夏のはずだから、五時前くらいか? 

 肺の中に満ちる清々しい冷えた空気、歩道を軽快に走り抜ける感覚は、懐かしささえ感じる。軽いストレッチの後、小さな背中に先導され街中を走り始めた。道行く仲間に暴君は気軽に挨拶を交わし、アップダウンの少ない道を選んで軽やかに進んでいく。羽根が生えているようだと言う形容が、正に当てはまる走り方。見惚れて気を抜くと、直ぐに間が開いてしまう。

 大きな市の公園まで来ると少し池の周りを歩き、ストレッチ。息も乱さず、汗もかかない暴君と。既に腿が重くベンチに腰かける自分。端から見れば、揃いのウェアに身を包んでいても実力差が有りすぎて、連れには映りそうにない。
しおりを挟む
感想 103

あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

執着攻めと平凡受けの短編集

松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。 疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。 基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

君のことなんてもう知らない

ぽぽ
BL
早乙女琥珀は幼馴染の佐伯慶也に毎日のように告白しては振られてしまう。 告白をOKする素振りも見せず、軽く琥珀をあしらう慶也に憤りを覚えていた。 だがある日、琥珀は記憶喪失になってしまい、慶也の記憶を失ってしまう。 今まで自分のことをあしらってきた慶也のことを忘れて、他の人と恋を始めようとするが… 「お前なんて知らないから」

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

目が覚めたら囲まれてました

るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。 燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。 そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。 チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。 不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で! 独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。

放課後教室

Kokonuca.
BL
ある放課後の教室で彼に起こった凶事からすべて始まる

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

処理中です...