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仕切りの無いシャワールームに入ると、何人か先客がいた。慣れるまでは、誰かとこの部屋を共有することも出来ずにパニックを起こしていた。
誰も話さない無言の空間。水音だけが響いている。空いていた場所で身体の内も外も清め、洗い流すために俯いた視界に身を竦める。排水溝へ流れていく水に、赤く染まった筋が幾筋も吸い込まれて呑み込まれていく。毎日、ではないけど。この部屋に血の匂いが充満する日がある。
その先にいるのは、大抵スタッフ。その身体に傷はなく、こびりついた返り血を洗い流している。この番避けの威力の下に隠されたものを目の当たりにしているようで気分が毎回悪くなり、戦っていた日々やあの日を思いだし肝が冷える。
でも、深くは考えない。
考えても仕方ない場所に自分はいる。身体を拭き、伸ばしっぱなしの髪を乾かしながらメニューと冷蔵庫の中身を照合。ここでは、自分の出来ることをやっていくしかない。
誰も話さない無言の空間。水音だけが響いている。空いていた場所で身体の内も外も清め、洗い流すために俯いた視界に身を竦める。排水溝へ流れていく水に、赤く染まった筋が幾筋も吸い込まれて呑み込まれていく。毎日、ではないけど。この部屋に血の匂いが充満する日がある。
その先にいるのは、大抵スタッフ。その身体に傷はなく、こびりついた返り血を洗い流している。この番避けの威力の下に隠されたものを目の当たりにしているようで気分が毎回悪くなり、戦っていた日々やあの日を思いだし肝が冷える。
でも、深くは考えない。
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