例えβに生まれても

2 御屋敷の王子様

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ドンッ

衝撃音と共に、車のボンネットが沈む。
ビックリして前を向くと。
スリットの入った白のワンピースから、すらりとのびたおみ足を上げ踏んづけていらっしゃる飛鳥様が、いた。
御当主、澪様似の金髪をアップにされ、耳には彫金のピアス。
そんな勢いよく足を置いたら、ハイヒールの踵分、へこんでるんじゃ...


｢あーら、邪魔な車が止まってると思ったら、愚弟と遥馬じゃない。
陽太さんからの指示期間が終わってるのに、まぁだ一緒にいるの？｣


態度もポーズも上から目線の飛鳥様は、運転席と助手席を交互に見比べ口角を上げる。
えぇぇーっ、すれ違うには十分道幅はあるのにーーー？！
わざと清人様を煽りに来られてるよ！

清人様の姉に当たる菊川家の御令嬢。
飛鳥様は、苦手...振り回されていた思い出しか無いし。
清人様は、飛鳥様と一緒にいると怖くなるんだよね。


｢その汚い足をさっさと下ろせっ
ハルが選んでくれた車だぞっ｣


敵意剥き出しで、クラクションを鳴らす清人様。
俺、色しか選んでないですよ、ね？