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2 御屋敷の王子様
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清人様の車が近づくと、道路からの侵入を固く閉ざしていた門が自動で内側に開いていく。
車が二台、余裕ですれ違える幅の門は、車が中に入ってしまうとすぐに閉ざされた。
外の喧騒を離れ、屋敷に向かう車の中。
窓から覗く風景は、とても見知ったもので。
走った...じゃなく、清人様の姉君、飛鳥様から逃げ回った丘や。
泳いだ...じゃなく、うっかり滑り落ちて清人様に助けられた池、とか。
苦い思い出がどちらかと言えば多いけど。
お屋敷まで延びた道をわずかにそれて、清人様が見せてくれるお花が咲き誇る庭や丁寧に刈られたウサギやクマの形の木はとても誇らしい。
俺の家、梅田家が代々担当しているエリアだ。
高い梯子や大きな剪定鋏を使って、黙々と作業している父さんや兄ちゃんは何時間でも見ていて飽きないくらいに格好いい。
車窓から見える範囲には姿が見えないけれど、今日もどこかで作業中なんだろうなぁ。
車が二台、余裕ですれ違える幅の門は、車が中に入ってしまうとすぐに閉ざされた。
外の喧騒を離れ、屋敷に向かう車の中。
窓から覗く風景は、とても見知ったもので。
走った...じゃなく、清人様の姉君、飛鳥様から逃げ回った丘や。
泳いだ...じゃなく、うっかり滑り落ちて清人様に助けられた池、とか。
苦い思い出がどちらかと言えば多いけど。
お屋敷まで延びた道をわずかにそれて、清人様が見せてくれるお花が咲き誇る庭や丁寧に刈られたウサギやクマの形の木はとても誇らしい。
俺の家、梅田家が代々担当しているエリアだ。
高い梯子や大きな剪定鋏を使って、黙々と作業している父さんや兄ちゃんは何時間でも見ていて飽きないくらいに格好いい。
車窓から見える範囲には姿が見えないけれど、今日もどこかで作業中なんだろうなぁ。
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