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35 隔離の王子様
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急に声を張ったせいで、陽太様を驚かせてしまった。
陽太様は数度瞬きしたあとに「そんなことあるって」と笑顔。
一度腕を緩めてから、ギュウッと抱き締め直されてしまった。
「あぁ、本当に勿体ないっ
ハルちゃんみたいな良い子が、清人の道連れなんてっっ」
陽太様、どこをどう間違われ...ても、そんな結論にはならないよ!
なんで、清人様が俺に勿体ないなんて言われるんだろう。
どうかされてしまわれたのかな。
元気そうに見えて、実は熱があるとか、疲れてるとか...
だんだん心配になってくるよ。
「あのさ、ハルちゃん。
無理強いさせてしまう身でこんなこと言うなって話だけどさ。
これから先、清人のことが嫌いになったらすぐに俺に言ってくれ!
その時には、別の戸籍用意してでも責任もってハルちゃんが普通に暮らせるようにするから!
あと、これからの生活はハルちゃんの安全第一っ
清人は隔離して部屋から一歩も出さないってこと証明するからな!」
強い決意に燃えてる陽太様。
「部屋にトイレとシャワーくらいつけてやるか」とか、ブツブツ考えてることを漏らしてるよ。
ん、あれ、えってことは、もう俺が清人様の番のふりするのは決定なんですか??
そんなの困るし、あと学校に行けないようなこと言われていたのも気になるし...
飛鳥様の誤解は、本当に本当に覆せないんでしょうか?
確認したいことはいっぱいあったからね。
一個一個尋ねようと思ったんだけど。
ヒョイッ
それより早く、背後から腰に腕を回され上に持ち上げられてね。
陽太様の腕からは解放されたんだけど、そのまま身体が浮いて違う腕に囚われてしまう。
背中と足を支える両腕によるお姫様だっこ。
ここここんなことを俺にするのは、清人様しかいない!
ぶわわっと、控え室であったこと、噛まれたことを思い出して、身体が火照る。
わー、やっぱり清人様のこと直視できないよ!
下ろしてくださいの一言も絞り出せなくて、清人様の腕の中で大人しく固まってしまう。
清人様は、きっと俺が緊張してるのは気付いてると思うんだけど。
そこにはなにも触れずに、俺の後頭部にチュッとキスをしてフフッと笑みを溢されたのが吐息でわかってしまう。
ふぁぁぁ、益々お顔を見る勇気が持てませんっ
悲鳴が聞こえて、バタンバタンと何かが倒れる音が続いたんだけど。
スタジオにいる人が、きっと清人様の微笑みに気絶されたんじゃないかな。
うぅ、俺も気絶したい。
したいけど、清人様が見れない!
陽太様は数度瞬きしたあとに「そんなことあるって」と笑顔。
一度腕を緩めてから、ギュウッと抱き締め直されてしまった。
「あぁ、本当に勿体ないっ
ハルちゃんみたいな良い子が、清人の道連れなんてっっ」
陽太様、どこをどう間違われ...ても、そんな結論にはならないよ!
なんで、清人様が俺に勿体ないなんて言われるんだろう。
どうかされてしまわれたのかな。
元気そうに見えて、実は熱があるとか、疲れてるとか...
だんだん心配になってくるよ。
「あのさ、ハルちゃん。
無理強いさせてしまう身でこんなこと言うなって話だけどさ。
これから先、清人のことが嫌いになったらすぐに俺に言ってくれ!
その時には、別の戸籍用意してでも責任もってハルちゃんが普通に暮らせるようにするから!
あと、これからの生活はハルちゃんの安全第一っ
清人は隔離して部屋から一歩も出さないってこと証明するからな!」
強い決意に燃えてる陽太様。
「部屋にトイレとシャワーくらいつけてやるか」とか、ブツブツ考えてることを漏らしてるよ。
ん、あれ、えってことは、もう俺が清人様の番のふりするのは決定なんですか??
そんなの困るし、あと学校に行けないようなこと言われていたのも気になるし...
飛鳥様の誤解は、本当に本当に覆せないんでしょうか?
確認したいことはいっぱいあったからね。
一個一個尋ねようと思ったんだけど。
ヒョイッ
それより早く、背後から腰に腕を回され上に持ち上げられてね。
陽太様の腕からは解放されたんだけど、そのまま身体が浮いて違う腕に囚われてしまう。
背中と足を支える両腕によるお姫様だっこ。
ここここんなことを俺にするのは、清人様しかいない!
ぶわわっと、控え室であったこと、噛まれたことを思い出して、身体が火照る。
わー、やっぱり清人様のこと直視できないよ!
下ろしてくださいの一言も絞り出せなくて、清人様の腕の中で大人しく固まってしまう。
清人様は、きっと俺が緊張してるのは気付いてると思うんだけど。
そこにはなにも触れずに、俺の後頭部にチュッとキスをしてフフッと笑みを溢されたのが吐息でわかってしまう。
ふぁぁぁ、益々お顔を見る勇気が持てませんっ
悲鳴が聞こえて、バタンバタンと何かが倒れる音が続いたんだけど。
スタジオにいる人が、きっと清人様の微笑みに気絶されたんじゃないかな。
うぅ、俺も気絶したい。
したいけど、清人様が見れない!
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