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35 隔離の王子様
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大きくなってからは、清人様以外の方に抱き締められることって無かったからね。
腕の長さとか、胸の広さとか、頭の高さとか。
清人様と陽太様を無意識に比べて、その違いにしっくりこなくて。
でも、優しくしていただいている陽太様の手を拒むことなんて出来ないしね。
抱き締められたまま、息を殺して身をすくめていたら、陽太様が深い溜め息をついてぼやかれた。
「あ"ーーー、本当に勿体ねーなぁ」
「そ、それはわかりますっ
その通りだって、俺も思います!
清人様が俺なんて選ばれて...」
「え、それマヂなの?」
「え??
マヂ、ですよ???」
力説したらね。
陽太様が、ポカンと口を開けたよ。
息が触れるくらいの近さで、顔を見合わせ互いの真意を推し測る。
陽太様、凄く不思議そう。
あれ、かな?
俺が清人様に選ばれるのは、当たり前とか思うような人間って誤解されていたのかな?
いやいやいや、そんなこと、あるわけないよ!
清人様と遊んで頂いたり、清人様から特別扱いを受けてるんだってわかってもね。
そんな待遇が当たり前とか、絶対に思うことないよ!
立っているだけで、人を惹き付ける清人様がだよ?
立っていたら、周りの人に埋もれて見えなくなる没個性な俺を好きだって言ってくれるなんてね?
何回分の人生の運を使ってるのかなって思えるくらいに奇跡だもん。
奇跡何百回分を濃縮して、なんとか起きた。
そんなたった一回の奇跡だもん。
さっきもね。
いっぱいキスされて、俺からもキスしてしまったけど...今、冷静になって考えたら、俺から清人様になんてだだだだだ大胆なことしてるよねぇぇっっ
ひゃぁぁああーーー、どどどどうしようっっ
も、もう二度と俺から清人様にキス出来る気がしないよ。
いや、うん、あれはしちゃダメなことだと思うよ。
清人様のあの唇に、俺のを、だよ?
そろぉと首を動かして、清人様を見たらね。
清人様は白いスクリーンの前で腕組み。
目を細めて、こちらをジトーと見られていたよ。
カメラマンの人が声を掛けても無視されていて。
でも、そんな清人様も絵になるんだよね。
腕を組んで、仁王立ち。
曇りひとつない鋭利な刃のような、見ているだけでこちらの背筋が伸びちゃう迫力がある清人様。
あぁ、またあんなに間近で清人様のお顔を見てしまったら気を失いそう。
はぅぅぅ~
カチカチ当たった牙と歯や。
口内で動いていた清人様の舌とか。
キスしていたことをリアルに思い出してしまって、頭から湯気出ちゃいそう。
うわぁ、俺、凄いことしちゃってたよ!
俺の顔は、気持ちの揺らぎでぐるぐる表情が変わってたんだと思う。
陽太様は、ますます不思議そうに首を捻ってね。
ずいっと顔を突き出して、ジーーーッと目をまっすぐに覗きこまれたよ。
考えてること、思い出してることまで見透かされそうで逸らしてしまう。
「あ、あのぉ」
「んー、あぁ、大丈夫、大丈夫。
俺が言ったのは、逆だから。
清人がハルちゃんに勿体ないってこと」
「ふぇぇ??
そ、そんなわけないじゃないですか!」
ここは、全力否定だよ!
腕の長さとか、胸の広さとか、頭の高さとか。
清人様と陽太様を無意識に比べて、その違いにしっくりこなくて。
でも、優しくしていただいている陽太様の手を拒むことなんて出来ないしね。
抱き締められたまま、息を殺して身をすくめていたら、陽太様が深い溜め息をついてぼやかれた。
「あ"ーーー、本当に勿体ねーなぁ」
「そ、それはわかりますっ
その通りだって、俺も思います!
清人様が俺なんて選ばれて...」
「え、それマヂなの?」
「え??
マヂ、ですよ???」
力説したらね。
陽太様が、ポカンと口を開けたよ。
息が触れるくらいの近さで、顔を見合わせ互いの真意を推し測る。
陽太様、凄く不思議そう。
あれ、かな?
俺が清人様に選ばれるのは、当たり前とか思うような人間って誤解されていたのかな?
いやいやいや、そんなこと、あるわけないよ!
清人様と遊んで頂いたり、清人様から特別扱いを受けてるんだってわかってもね。
そんな待遇が当たり前とか、絶対に思うことないよ!
立っているだけで、人を惹き付ける清人様がだよ?
立っていたら、周りの人に埋もれて見えなくなる没個性な俺を好きだって言ってくれるなんてね?
何回分の人生の運を使ってるのかなって思えるくらいに奇跡だもん。
奇跡何百回分を濃縮して、なんとか起きた。
そんなたった一回の奇跡だもん。
さっきもね。
いっぱいキスされて、俺からもキスしてしまったけど...今、冷静になって考えたら、俺から清人様になんてだだだだだ大胆なことしてるよねぇぇっっ
ひゃぁぁああーーー、どどどどうしようっっ
も、もう二度と俺から清人様にキス出来る気がしないよ。
いや、うん、あれはしちゃダメなことだと思うよ。
清人様のあの唇に、俺のを、だよ?
そろぉと首を動かして、清人様を見たらね。
清人様は白いスクリーンの前で腕組み。
目を細めて、こちらをジトーと見られていたよ。
カメラマンの人が声を掛けても無視されていて。
でも、そんな清人様も絵になるんだよね。
腕を組んで、仁王立ち。
曇りひとつない鋭利な刃のような、見ているだけでこちらの背筋が伸びちゃう迫力がある清人様。
あぁ、またあんなに間近で清人様のお顔を見てしまったら気を失いそう。
はぅぅぅ~
カチカチ当たった牙と歯や。
口内で動いていた清人様の舌とか。
キスしていたことをリアルに思い出してしまって、頭から湯気出ちゃいそう。
うわぁ、俺、凄いことしちゃってたよ!
俺の顔は、気持ちの揺らぎでぐるぐる表情が変わってたんだと思う。
陽太様は、ますます不思議そうに首を捻ってね。
ずいっと顔を突き出して、ジーーーッと目をまっすぐに覗きこまれたよ。
考えてること、思い出してることまで見透かされそうで逸らしてしまう。
「あ、あのぉ」
「んー、あぁ、大丈夫、大丈夫。
俺が言ったのは、逆だから。
清人がハルちゃんに勿体ないってこと」
「ふぇぇ??
そ、そんなわけないじゃないですか!」
ここは、全力否定だよ!
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