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35 隔離の王子様
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勝負パンツ、っていうことで。
俺なんかが、二度とないような経験をすることになったからね。
自分の身を守るためでもあるし、逃げ出さないようにこの日のために用意していた気合をかき集めるためのものだったんだけれど。
好きな赤色の、衣装にも邪魔にならないようにって一週間前に兄ちゃんと買いに行った初めて履いたボクサーパンツは、気合が逆に消えちゃいそうなものに変わっていたよ。
清人様が、両手で広げて見せてくださる前面には、正視できない、し、染みが広がっていて。
とてもじゃないけど、そそそそんなの履けないよ!
でも、ノノノノノーパンって...それもどうなんだろう。
スースーして、落ち着かないような??
制服のズボン、黒色だけど。
夏用の生地だから、透けたりしない、かな??
シャツの裾を下げて、清人様や陽太様から少しでも見えないようにって中腰でいるんだけど。
清人様は、わざわざかがんで、どうする?って尋ねてくださってて。
俺が、定まらない気持ちと一緒にうろうろと視線をさ迷わせていたらね。
「...そんなん、履けるわけねーだろう。
気持ち悪くて、歩きにくいって」
陽太様が、床に落とされていた俺の衣装を拾いながら半目で答えてくださった。
で、ですよね!
ん、ってことは、俺...ノーパンですか?!
制服で、ノーパン!!
毎朝着るたびに、色んなことを思い出しちゃいそうだよっ
清人様は「そうだな」と納得されて、俺の前に膝をついてズボンを履かせようとされるんだけど。
俺、もう、高校生だからちゃんと履けます!
さっきは、なんだか流されてましたけど、少しは落ち着いてきましたし。
あぁ、でも、清人様のお顔を見てしまったらまたドキドキしてバクバクして無理かもっ
俺は、自分の手元を見ながらしか清人様に話しかけることができなくなってるよ。
「あの、清人様、俺、自分で履けますから」
「俺が、ハルに履かせたいんだ。
番の俺に、なんでも任せて?」
「んん???」
清人様の中で、俺、番になってるんですか?
どういうこと、ですか??
困ったとき、つい、陽太様を見てしまう。
陽太様は、額に手を当てて溜息をつかれていた。
ツカツカと俺達の方に真っすぐ歩いてこられたからね。
俺は、清人様が視界に入らないように。
でも、陽太様は見ていないとって一人であわあわしていたら、陽太様にはそれが分かったみたい。
手に持っていた衣装を、膝をついたままだった清人様の頭の上で離されて。
バラバラと落ちたオフショルダーのシャツが清人様の顔を半分遮ってね。
見えないように配慮してくださったよ。
された側の清人様は、すぐに取ろうとされたけどね。
「お前は、このまんま正座、じゃなけりゃ、お前の作戦にのってやらねぇ」
陽太様に指まで指されて、黙って正座をしてくださった。
はぁ~、助かりました!!
俺なんかが、二度とないような経験をすることになったからね。
自分の身を守るためでもあるし、逃げ出さないようにこの日のために用意していた気合をかき集めるためのものだったんだけれど。
好きな赤色の、衣装にも邪魔にならないようにって一週間前に兄ちゃんと買いに行った初めて履いたボクサーパンツは、気合が逆に消えちゃいそうなものに変わっていたよ。
清人様が、両手で広げて見せてくださる前面には、正視できない、し、染みが広がっていて。
とてもじゃないけど、そそそそんなの履けないよ!
でも、ノノノノノーパンって...それもどうなんだろう。
スースーして、落ち着かないような??
制服のズボン、黒色だけど。
夏用の生地だから、透けたりしない、かな??
シャツの裾を下げて、清人様や陽太様から少しでも見えないようにって中腰でいるんだけど。
清人様は、わざわざかがんで、どうする?って尋ねてくださってて。
俺が、定まらない気持ちと一緒にうろうろと視線をさ迷わせていたらね。
「...そんなん、履けるわけねーだろう。
気持ち悪くて、歩きにくいって」
陽太様が、床に落とされていた俺の衣装を拾いながら半目で答えてくださった。
で、ですよね!
ん、ってことは、俺...ノーパンですか?!
制服で、ノーパン!!
毎朝着るたびに、色んなことを思い出しちゃいそうだよっ
清人様は「そうだな」と納得されて、俺の前に膝をついてズボンを履かせようとされるんだけど。
俺、もう、高校生だからちゃんと履けます!
さっきは、なんだか流されてましたけど、少しは落ち着いてきましたし。
あぁ、でも、清人様のお顔を見てしまったらまたドキドキしてバクバクして無理かもっ
俺は、自分の手元を見ながらしか清人様に話しかけることができなくなってるよ。
「あの、清人様、俺、自分で履けますから」
「俺が、ハルに履かせたいんだ。
番の俺に、なんでも任せて?」
「んん???」
清人様の中で、俺、番になってるんですか?
どういうこと、ですか??
困ったとき、つい、陽太様を見てしまう。
陽太様は、額に手を当てて溜息をつかれていた。
ツカツカと俺達の方に真っすぐ歩いてこられたからね。
俺は、清人様が視界に入らないように。
でも、陽太様は見ていないとって一人であわあわしていたら、陽太様にはそれが分かったみたい。
手に持っていた衣装を、膝をついたままだった清人様の頭の上で離されて。
バラバラと落ちたオフショルダーのシャツが清人様の顔を半分遮ってね。
見えないように配慮してくださったよ。
された側の清人様は、すぐに取ろうとされたけどね。
「お前は、このまんま正座、じゃなけりゃ、お前の作戦にのってやらねぇ」
陽太様に指まで指されて、黙って正座をしてくださった。
はぁ~、助かりました!!
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