例えβに生まれても

33 興奮の王子様

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向かい合わせで抱っこされたまま。
大人なキスをたっぷり与えられて。
ゆらっと、優しい揺さぶりを腰に何度も繰り返されて。

清人様と俺の合わさった場所が、どんどん熱を帯びて膨らんで大きくなって。
そこから得られる焦れったい疼きは、自分で触るのより、何倍も気持ちよくて。
もう、このままなにも考えなくて、良いんじゃないかなぁ。


「.....はぁ.....ん"........あ...」


俺を蕩けさせるキスの合間に、息を吸うと。
肺の中にも、清人様の香りが入ってきて。
口の中は、清人様の味でいっぱいで。
耳元では、清人様の濃厚すぎるフェロモンが、「ハルをこのまま食べちゃいたいなぁ」「ハルの身体を嘗め回したい」「噛んだら終わり、でも噛みつきたい...いや、まだ噛みつきたくない...」なんて。
次次溢れる情熱を伝えて来られて。

俺、パンク、してました。

でもね。
俺が清人様でいっぱいになっている間も、撮影は続けられていたんだよ。
スタジオ中、どっぷりと清人様のフェロモンに浸され、俺と同じβのスタッフは耐えきれずに再び自主避難。
αは、ただキスをしているだけの、業界なら見慣れてるはずの撮影風景に、赤面し動揺していた、みたい。