例えβに生まれても

33 興奮の王子様

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「クールビューティ塩対応の清人様が、遥馬ちゃんにだけはヘビー級のスィーツ盛り合わせに変わらはるんが最高やわぁ～」


聞こえてきた蔦次さんの声は、うっとりと耳に馴染む。
ん～、清人様は確かに俺と他の人とじゃ態度が違う。
多分お二人は、俺が知らない清人様のことをたくさん知ってるんだろうな。
クールビューティ塩対応な清人様って、すごく冷たそうだよ。


「今回のCM撮影で、清人様が牙を出す相手が来るって念押し極秘情報を事前に聞いてたのよ。
しかもβの男性って聞いたから、ものすっごく興味津々で........実は、私達ここに二時間前に来ちゃったのっ
どんな方を清人様が連れてこられるのか、想像すら出来なかったんだけど。
あの清人様が出したとは思えないくらい、濃厚な所有フェロモンを見っちゃったし。
あのタレント、コテンパにしちゃったのも見ちゃったし。
何より、清人様がこんなに大切に扱う人がいたことが嬉しくって！
これからも、清人様のことお願いねっ、遥馬ちゃんっっ」


ふふっと欅平さんは笑ってね。
「完成よ」と、ポンッと軽く肩を叩かれた。
フワッと、気持ちまで押されたみたいに楽になる。
清人様が俺を特別扱いされること、肯定されることなんてみどりちゃん以外にいなかったんだ。