例えβに生まれても

31 撮影の王子様

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清人様には気付かれたくなくて、でも、こんな体勢でじっとはしていられないからモジモジ両膝を擦り合わせるように動かしてしまう。
清人様は、俺の足からズボンを引き抜いた後は、当然のように俺のカッターシャツも完全に脱がしてしまわれた。


｢着替え名目だと、ここまでしか脱がせられないんだよ、ハル｣


切なく眉根を寄せながらため息をついて、これ以上のことが出来ない自分を惜しまれている清人様。
俺の下着姿を、熱っぽい目で見下ろされる。
完璧な清人様に見られるなんて、は、恥ずかしい.....
思わずなよなよした自分の身体を抱き締めた。

確かに、その、着替えるのに服を脱ぐのは入りますけど.....じ、自分で出来ますよ？
こんな、抱っこされながらとかって可笑しくないですか？
それに、まるで、噛んだりキスしたりはその名目に収まってるみたな言い方じゃないですか？
ん、むしろ、そんなことはなかったみたい？

清人様に嘗め回された口の中は、くすぐったいようなぞわぞわしちゃう感覚が抜けないし。
俺の足には、清人様が噛んだ場所の証拠みたいに唾液が残ってますよ。
無かったことになんか、なりませんよ！　

この撮影中に、もし清人様に困ったことされたらいつでも電話しておいでって、陽太様からは言って下さっていたけれど。
清人様と目があっただけで、すっかり魂を抜かれちゃった俺には出来そうにもない。

だって.....迫ってくる清人様は、次々いろんなことをされるからついていけないんだけど。
恥ずかしくて、ドキドキしちゃって、心臓が持たないだけで。
嫌だなって思えないというか。
あと、噛まれて勃っちゃいました、とかも言えないし。


｢あ、あの、俺、自分で着替えますよっ｣


身ぐるみはがされて、気持ちも取り込まれちゃって。
このままだと、自分から「もっとして良いですよ」とか言っちゃいそうで怖い。
とにかく、離れなきゃっ