例えβに生まれても

23 後悔の王子様

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『菊川君が君のことを大切にしているのは、菊川君の行動を見てるだけでよくわかるからね。
一度話してみたかったんだよ。
もしΩになったら、変異種Ωの研究のために御助力願いたいなぁ。
菊川君が、許さないかもしれないけどね』

｢えっと.....俺、まだ......｣

『うんうん、まだ決めてないんだよね？
しっかり考えた方がいいよ。
君の人生だし。
あぁ、でも、Ωになったときには思い出して？
変異種Ωの資料は、本当に少なくてね。
ゆくゆくは、変異種Ωだけが繋がるネットワークを構築して、お互いの情報交換とかもしたいんだよね。
その蓄積した情報を研究のために使えたら、飛躍的に進むと思うんだよ』


緩く口ずさむような話し方。
深刻で真剣な話をしているはずなのに、うっかり｢わかりました｣って言っちゃいそうになるよ。


ダンッッ


｢な、何の音ですか？？｣


向こう側で、大きな物が落ちたような衝撃音.....


『フフフ.....驚かせちゃったかな、ごめんね。
菊川君、揺すっても起きないから、ベットから落としただけだよ』


だ、だけじゃないですっ