例えβに生まれても

20 復習の王子様

9

｢あの、ですね....もう、カメラ使ってこう言うのはしたくないです。
教えていただいたおかげで、もう、一人で出来るようになりましたから.....｣


カメラ越しに黙って見つめられると、語尾が段々細くなって小さく途切れそうになる。
清人様、目力強いんですよ。
面と向かってお話ししている時より、こう、雰囲気が読みにくいのもありますが。

何を考えていらっしゃるのか、雰囲気よりも眼差しの鋭さが勝ってしまって伝わってこない。

居たたまれなくなってきて、不格好になっていたシャツを調整する。
後ろを引っ張ったから、今度は前が短くなってしまった....
裾からちらちら見えちゃっていたおちんちんの先端は、もう皮が被さることもなくなって。
内側からずっと頭が覗いてる。

こうなって暫く経つのに、清人様は経過観察だって言って全然カメラをオフにさせてくれないし。
毎週金曜日の夜は、まずは俺がヌクのが日課になってたんだよね。

俺はヌクと頭がぼぅとしちゃうし。
清人様もなにも話さず、俺が落ち着くまで見てるだけ。
恥ずかしくなって、すぐに電話を切っちゃうから一番通話時間は短い曜日でもある。