例えβに生まれても

15 告白の王子様

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こんなすごい場所に通されちゃったし。
お客様みたいな扱いを受けちゃうし。

頭の中は、隣に座っていらっしゃる清人様のことでいっぱいだし。

清人様が俺をβでもΩでも、ずっと一緒にいたくて。
しかも、恋愛対象で。
番になりたくて。
三年間の猶予があって。
電話は俺からしてもよくて。

清人様も、いつもなら喧嘩腰になるのに飛鳥様に話し掛けられても反応が薄くて。
陽太様は、飛鳥様には何も話される気は無いみたい。
飛鳥様が清人様や俺に訝しげにされていても、黙って見てるだけだった。

先程急に泣いていた倭人様は、何事も無かったかのように陽太様の隣で俺以上にご飯を召し上がっていて。
俺より器用にナイフやフォークを扱われていた。

俺、普段は箸だからね。
使いなれてないって言うのもあるけど、頭の中はグチャクチャだし、緊張してるし・・・
ガチャガチャしていたら、見るに見かねて清人様がお肉や魚を切り分けてくださったんだけどね。

もぅ、｢ありがとうございます｣も言えないくらい余裕がなくて。
お皿の上を器用に動く指しか見れませんでした。